DTM併催の新シリーズ『DTMトロフィー』参戦一番乗り。ドイツ拠点チームが2台のマクラーレン投入

 2020年からDTMドイツ・ツーリングカー選手権と併催される新シリーズ『DTMトロフィー』にドイツ・ミュンヘンに拠点を構えるチームGTが2台のマクラーレン570Sを送り込むと発表した。

 このDTMトロフィーは“FIAカテゴリーのE2-SH、E2-SC”規定に則った車両で争われるレースとされており、実質的にはFIA-GT4カーで争われるとみられるシリーズだ。

 ADAC GT4ドイツなどをはじめとするGT4レースは、SROモータースポーツ・グループが定めるBoP(性能調整)によってパフォーマンス差が埋められるが、このDTMトロフィーについては、DTMを運営するITRが独自にBoPを設定する点が特徴となる。

 創設初年度となる2020年シーズンは、当初全7戦で開催される予定だったが、GT4ヨーロピアン・シリーズとの日程重複を回避するとして第5戦に設定されていたTTアッセンでの開催が見送られ、全6大会で開催される。

 そんなDTMトロフィーに、これまでGT4ヨーロピアン・シリーズなどを戦ってきたドイツのチームGTがマクラーレン570Sでの参戦を表明。シリーズ参戦第1号となった。

 チームオーナーのベルンハルト・ラーバーは「DTMトロフィーへ参戦するという決定は、我々にとっては論理的な選択だった」とコメントしている。

「ITRが掲げたコンセプトは最初から素晴らしいものだった。レースはドライバー交代のないスプリントレースで、舞台はプロフェッショナルが集うDTMで、経済的な状況も整っている」

「DTMのサポートレースとして行われるため、参戦チームにとっては若く才能あるドライバーをPRする場にもなる。これは我々にとっては、とても重要なことなんだ」

「2台のマクラーレンに誰を乗せるかはまだ確定していないが、競争力のあるペアを送り込めると確信している。この件については、近日中にまたお知らせするよ」

 ITRでディレクターを務めるフレデリック・エルスナーも「チームGTがDTMトロフィーへの参戦を表明したことを歓迎する」とした。

「(チームが投じる)マクラーレン570Sは素晴らしいマシンであり、多くのモータースポーツファンに歓迎されているレーシングカーだ。またベルンハルトが率いるチームも経験豊かで、文字どおりプロフェッショナルの集まりと言ってもよく、若手育成にも長けている」

「チームGTは、DTMトロフィーが掲げている信念に沿った存在なんだ」

 ITRは3月11日までDTMトロフィーへのエントリーを受け付けており、随時参戦表明や体制発表が行われるものとみられる。

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