女性限定フォーミュラ『Wシリーズ』がF1のサポート戦に。アメリカGP、メキシコGPでの併催決定

 女性ドライバー限定のフォーミュラレース『Wシリーズ』の2020年開催スケジュールが変更され、新たにアメリカ、メキシコでシリーズ戦が開催されることとなった。この2大会はいずれもF1のサポートレースとして行われる。

 2019年に発足した女性ドライバー限定フォーミュラレースのWシリーズ。女性ドライバーのみが参戦できるという仕組みや日本人として小山美姫がフル参戦したことでも話題となった。

 シリーズはDTMドイツ・ツーリングカー選手権と併催という形が採られており、発足2年目となる2020年シーズンについても、昨年10月末にDTMのサポートレースとして、全6ラウンドを開催するスケジュールがアナウンスされていた。

 そんなWシリーズが1月16日、開催スケジュールの変更をアナウンスし、新たにアメリカのオースティン、メキシコのメキシコシティでのレースをシリーズに組み込むと発表した。この結果、2020年のWシリーズは全8ラウンドでの争いとなる。

 新たに組み込まれたのは10月24日にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われる第7戦と、10月31日にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われる第8戦のふたつ。いずれもフォーミュラレースの最高峰、F1のサポート戦としての開催だ。

 Wシリーズでチーフ・エグゼクティブ・オフィサーを務めるキャサリン・ボンド・ミューアは「Wシリーズが誕生からわずか1年でF1に歓迎されたことを心から誇りに思います。またシーズン終盤の2戦をF1というプラットフォームで開催できることを喜んでいます」とのコメントを発表している。

「DTMのサポート戦として開催を発表していた6ラウンドに、新たに2ラウンドが加わることは素晴らしいことです。シリーズは8戦すべてが異なる国で開催され、まさしくインターナショナルなものとなります」

「またヨーロッパ圏を離れ、アメリカとメキシコという、私たちにとっても重要な地域でレースを開催できることもうれしく思います」

「発足初年度だった2019年も、Wシリーズには多くの興味が注がれました。2020年にシリーズがF1と併催されることで、その興味はより大きくなり、さらなる興奮を呼ぶはずですよ」

 F1でマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンも「Wシリーズの2戦がF1アメリカGP、メキシコGPのサポートレースを務めることを歓迎する」と述べた。

「わずか1年で、Wシリーズはモータースポーツに多様性をもたらすなどトピックスとなり、大きな注目を集めた」

「我々のスポーツも男女の性差なく平等に機会を与える必要があると確信している。F1のグリッドにおける多様性を改善させることは、我々にとっても戦略的目標のひとつでもある」

「F1アメリカGPとメキシコGPには例年多くのファンが足を運んでくれる。そんなレースでWシリーズを開催し、才能ある女性ドライバーの戦いを披露することは、モータースポーツに多様性をもたらす上で大きな効果があるはずだ」

 日本の小山も継続参戦する2020年のWシリーズは5月30日のサンクトペテルブルク戦で開幕を迎える。

■2020年Wシリーズ開催スケジュール(1月16日時点)

Round Date Event

1 5月30日 サンクトペテルブルク(ロシア)

2 6月13日 アンデルストープ(スウェーデン)

3 6月17日 モンツァ(イタリア)

4 7月11日 ノリスリンク(ドイツ)

5 8月23日 ブランドハッチ(イギリス)

6 9月5日 TTアッセン(オランダ)

7 10月24日 オースティン(USA)

8 10月31日 メキシコシティ(メキシコ)

© 株式会社三栄