外国籍の夫を持つ44歳主婦、マイホームを持っていないことに焦り

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、外国籍の夫を持つ44歳の主婦。会社の家賃補助があり、住居費はかかっていませんが、マイホームを購入していないことに焦りを感じているといいます。FPの飯田道子氏がお答えします。

主人は外国籍で、現在契約社員として働いています。会社からの家賃補助が全額出るため、住居費がかからずに20年生活しています。夫婦で45歳になるのに、まだ家を購入していないことを考えると本当に不安です。住宅を購入した方がいいのでしょうか。

<相談者プロフィール>

・女性、44歳、既婚(夫:45歳、契約社員)

・子ども2人:13歳、12歳

・職業:専業主婦

・居住形態:持ち家(戸建て)

・毎月の世帯の手取り金額:70万円

・年間の手取りボーナス額:40万円

・毎月の世帯の支出目安:48万円

【支出の内訳】

・住居費:なし

・食費:12万円

・水道光熱費:2.5万円

・教育費:10万円

・生命保険料:6.5万円

・医療費:2万円

・日用品代:2万円

・通信費:2.5万円

・車両費:2万円

・お小遣い:5万円

・その他:3万円

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:22万円

・現在の貯蓄総額:1200万円

・現在の投資総額:700万円

・現在の負債総額:なし


飯田:ご主人が外国籍でマイホームを買うべきかどうかを迷っている相談者様。ご主人の会社は福利厚生が整っているようで、現在は家賃がかかっていないとのこと。2人のお子様を持つお母さんとしても、将来が気になるところなのではないでしょうか。

まずは、日本でマイホーム購入したいかどうかの話し合いを!

相談者様のご主人の場合、契約社員という雇用形態ですが、配偶者が日本人であることから、すでに日本の永住権を取得しているのではないでしょうか?

永住権を取得していると、住宅ローンを組む場合、ほぼどの金融機関からも借り入れが可能ですし、住宅ローンの金利も日本人と同じになりますので安心ですね。

相談者様はマイホームを購入するべきかを悩んでいらっしゃいますが、ご主人のお気持ちはどうなのでしょうか? お子様も既に大きくなっていることから、今のタイミングで海外へ引っ越すことは考えにくいですが、将来も日本に住むことを考えているのなら、マイホームの購入を検討してもよいでしょう。

マイホームを買うタイミングはいつ?

現在、家賃不要で生活をしていることから、その分を貯蓄に回すことができますし、子どもの教育費にも回すことができます。

マイホームを購入する場合、住宅ローンを組むことになるかと思います。お子様の年齢を考えると、これからますます教育費のかかる年齢に差し掛かってきますので、ここは慎重に考えておきたいところです。

住宅金融支援機構の「クイック・シミュレーション」機能でシミュレーションをしてみました。条件は、便宜的に「借入金3000万円、返済期間35年、固定金利1.27%、ボーナス払いなし」としました。この結果、毎月の支払額は8.9万円となりましたので、返済できない金額ではないでしょう。

とはいえ、これはあくまでも参考に過ぎません。特に都市部でマイホームを購入する場合には物件価格も高くなりますし、ご主人の年齢を考えると、35年間ローンを支払い続けるのは負担が大きいのではないでしょうか。

マイホームを購入する場合には必ずシミュレーションをし、返済できるのかを確認してから、計画そのものをスタートさせてください。できるだけ早くマイホームが欲しいと考えているかもしれませんが、子どもの教育費が落ち着いてからでも遅くはありません。ご主人のリタイアにあわせて購入するなら、地方都市や郊外も視野に入ってくるかと思いますので、費用を抑えることができますよ。

会社の福利厚生費の確認も忘れずに

ご主人が今の会社に勤めている間に購入する際には、持ち家の場合に補助金が出るのかも確認をしてみてください。

持ち家になると、毎月の住宅ローンの支払いの他に、火災保険や地震保険への加入、固定資産税の支払いなども発生してきます。今までかからなかった費用が発生することも忘れないでください。持ち家補助がある場合は、あわせて雇用に関する規則(契約期間がいつまでなのか)なども確認しておくと安心ですね。

受け継ぐ相続財産はないかを確認する

相談者様が日本で受け継ぐ相続財産がある場合には、それを確認しておくとよいでしょう。土地や家屋を相続するのなら、それらの物件を活かすことを考えてもいいですね。

食費月12万円はかかりすぎ!見直しを

毎月の手取り金額が70万円であり、貯蓄と投資で1900万円ありますので、今はゆとりのある生活を送っていらっしゃるかと思います。毎月22万円を貯蓄にまわしているのはとてもよいのですが、食費が12万円というのは、少しかかりすぎているかもしれません。

教育費は、年を追うごとに10万円から跳ね上がっていくことは明らかであり、子どもが高校、大学と進むごとにお金は出ていきます。

ご主人は契約社員とのことですので、退職金はありません。ある意味、このタイミングが貯めどきでもあるのです。今から食費を抑えるために何ができるのかを、考えてみてください。

マイホームは一番高い買い物、焦りは禁物!

周りの人たちがマイホームを購入していると、自分はこのままで大丈夫だろうかと不安を感じる人は少なくありません。とはいえ、購入するべきか否か、購入するタイミングはいつなのかは、人によって違います。

マイホームは多くの人にとって、最も高額な買い物になります。夫婦でしっかりと話し合い、どのように暮らすのか、考えを明確にしてください。焦りは禁物です! 2人のタイミングで決めることが、何よりも大切なのです。

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