ダカールラリー2020:サインツが3度目の総合優勝に王手。トヨタも絡む総合2位争いは6秒差

 2020年のダカールラリーは1月16日、シュバイタからハラドを目指す744kmのステージ11が行われ、ステファン・ペテランセル(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)がステージ優勝を飾った。総合ではカルロス・サインツ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス)が10分以上のリードで首位を守り、2018年以来となる通算3度目の総合優勝に王手をかけた。前日、マシンを横転させる大クラッシュを演じたフェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)はステージ8位でフィニッシュしている。

 1月5日に開幕した2020年のダカールラリーも、このステージ11を含めて残り2ステージ。最終日直前のステージ11は競技区間のスペシャルが379km、移動区間のリエゾンが365kmという構成で行われた。

 四輪部門については、前日のステージ10がマラソンステージに指定されていたため、走行終了後に大きなメンテナンスは行えず。各クルーは最低限の整備を行い、このステージ11に臨んだ。

 砂漠地帯や砂丘が大半を占める構成のステージ11では、序盤からペテランセルが快走。設定されたすべてのウェイポイントをトップで通過しステージ優勝を飾った。そのペテランセルと10秒差のステージ2位はナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)が獲得、8分3秒差のステージ3位にサインツが続いた。

 総合順位では前日に大きくリードを広げたサインツが依然として10分17秒リードを持ってトップを守っている。大会は17日(金)の最終ステージを残すのみで2018年以来の通算3度目、サウジアラビア開催の初代王座獲得に王手をかけた。

「マラソンステージを無事に乗り越えてほっとしている。毎年、マラソンステージをどう過ごすかが鍵になっている」とサインツ。

「昨夜、私たちはできるだけのマシン整備を行い、それが功を奏した。残るは明日1日だけだ。後続とのギャップを気に留めながら、集中して戦い続けるよ」

 総合優勝はほぼサインツが手中に収めた一方、アル-アティヤとペテランセルによる総合2位争いは6秒差まで接近しており、最終日も激しい争いが予想されている。

ナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)
ステフェン・ペテランセル(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)

 前日のステージ10で砂丘越えに失敗しマシンが横転、フロントガラスを失ったアロンソは無事にステージ11に出走。「低速での横転でマシンにダメージはなかった」という言葉どおり、ペテランセルと16分25秒差のステージ8位でフィニッシュへたどり着いた。

フェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)。前日失ったフロントガラスも復活

「今日も一切トラブルのない状態でフィニッシュできた。全体的にはいいマラソンステージだったよ。(前日の)ファーストレグではタイムを失ったが、今日のセカンドレグではそういったアクシデントには遭遇しなかった」

「今のところハッピーだよ。日々、新しいことを学び続けているしね。僕にとって初めてのダカールを完走するまで、あと1日だ」

 四輪市販車部門を戦っているチームランドクルーザー・トヨタ・オートボデーは三浦昂/ローラン・リシトロイシター組338号車がステージ39位、クリスチャン・ラビエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組326号車がステージ42位でフィニッシュへたどり着いた。総合順位は326号車が30番手、338号車が34番手だ。

 トラック部門を戦う日野チームスガワラは菅原照仁組の512号車がステージ13位で完走し、総合10番手の座を守っている。チームメイトの塙郁夫組519号車は14日に行われたステージ9終了時点でロールバーにひび割れが見つかったため、大会リタイアとなっている。

リッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)

 二輪部門では部門総合2番手につけるパブロ・キンタニラ(ハスクバーナFR450ラリー)がステージ優勝を飾ったものの、総合首位リッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)との差は詰めきれず。依然として14分近いリードでブラベックがトップにつけている。

 この結果、2013年からダカールへのワークス参戦を再開しているホンダは、活動再開後初めての部門総合優勝に王手をかけた状態で競技最終日へ臨む。

 大会初のサウジアラビア開催で争われてきた2020年のダカールラリー、競技最終日となる17日はハラドからキディアへ向かうスペシャル167km、リエゾン280km、総走行距離447kmの最終ステージ12が行われる。

© 株式会社三栄