メッツがベルトラン新監督を解任 アストロズのサイン盗みに関与

日本時間1月17日、メッツは「双方が合意したうえで」カルロス・ベルトラン新監督を解任したことを発表した。ベルトランは今オフ、ミッキー・キャラウェイに代わってメッツの新監督に就任したばかりだったが、3ヶ月足らずのうちに解任される異例の事態となった。アストロズの不正なサイン盗みに関する報告書のなかで、ベルトランは選手としては唯一、名前を挙げられていた。

ベルトランは発表した声明文のなかで「私に(監督を務める)機会を与えてくれたことにとても感謝している。しかし、これ(=自身が監督を退くこと)がチームにとってベストであるということで合意に達した」とコメント。「球界に関わってきた20年間、私はリーダーであることに誇りを持ち、物事を正しい方法で行ってきたが、今回はそれができなかった。チームのベテラン選手として、今回の問題の重大さを認識すべきだった。自分が取った行動を本当に後悔している」と反省の弁を述べた。

サイン盗み疑惑に関するメジャーリーグ機構の調査の結果、アストロズのジェフ・ルーノウGMとAJ・ヒンチ監督に1年間の職務停止処分が科され、アストロズは両者をただちに解任。2017年にアストロズでベンチコーチとしてサイン盗みに関与していたことを指摘されたレッドソックスのアレックス・コーラ監督も解任された。当時の所属選手への処分は科されていなかったものの、ベルトランは報告書のなかで「サイン盗みの計画を知りながらも、自身や他の選手に(サイン盗みを)やめさせようとしなかった人物」と言及され、メッツはこのままチームの指揮を執らせるのに相応しくない存在であると判断したようだ。

なお、1試合も指揮を執らずに監督の座を退いたのはベルトランが初めてではない。2004年11月、ダイヤモンドバックスはウォーリー・バックマンを新監督に任命したものの、破産歴や逮捕歴が発覚してわずか4日後に解任。MLB公式サイトは「ベルトランは監督として(バックマンよりも)長い期間を過ごした」と紹介している。

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