43.3キロのアーラミーバイ

 スタンディングファイトにこだわる若き大物釣り師の新里良太さん。3連休を利用して1月10日から2泊3日で釣りに出掛けた。初日は本部新港で竿(さお)を出したが、アタリは無かった。翌日夕方からは新里漁港に移動した。漁港の入り口の水路近くを狙って大物を狙うが、未明まで粘って釣れたのは40センチほどのタマンのみ。そこで釣れたタマンを餌に一発大物狙いの賭けに出た。

 午前8時、最満潮前になって潮の流れが穏やかになった頃に、餌のタマンが暴れたかと思ったら、竿が海に向かって一直線になった。急いで竿を手に取ると、すさまじい引きで竿を立てることもできない。20メートルほど走られたところで、オモリが根掛かりしたらしく、一瞬魚の動きが止まった。すかさず竿を立てて、フッキングを入れる。驚いた魚はさらに激しく暴れ、オモリを付けたパイプ天秤(てんびん)を破壊して再び動きだした。12号竿が根元まで曲がるほど、リールのドラグを締めるが、魚は水路沿いに80メートルも勢いよく泳いだ。新里さんは187センチ、90キロオーバーの恵まれた体格を生かしてあらん限りの力で魚を寄せること30分、ようやく足元まで引き寄せたのは43.3キロのアーラミーバイ(ヤイトハタ)だった。 (おきなわ釣王国社・仲栄真修)

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