バサースト12時間:地元の雄トリプルエイトは、ダブルエースに加えマキシミリアン・ゴッツを起用

 オーストラリア大陸を代表するトップチーム、トリプルエイト・レースエンジニアリングは、2020年大会のバサースト12時間レースに向け体制を発表。VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーでもダブルエースを務めるジェイミー・ウインカップとSVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンに加え、メルセデスのファクトリー契約ドライバーでもあるマキシミリアン・ゴッツを新たに迎え、2020年モデルのメルセデスAMG GT3を投入する。

 VASCではレッドブル・レーシング・オーストラリアとしてホールデンのワークスチームを運営するトリプルエイトは、チームの顔でもある“セブンタイムス・チャンピオン”のウインカップと、2016年VASCチャンピオンでGT経験も豊富なSVGを起用。

 ウインカップは2017年にフェラーリ488 GT3で、SVGは2016年にマクラーレン650Sでバサースト12時間を制した経験もあるだけに、強力なコンビネーションが継続する形となった。

 しかし、2019年大会でメルセデスAMG GT3の888号車をシェアしたトリプルエイトの“もうひとりのレジェンド”ことクレイグ・ラウンズが、アール・バンバー・モータースポーツとの契約で今大会はポルシェにスイッチしたことを受け、チームは新たにゴッツを起用することを決めた。

 2014年のブランパン・スプリントシリーズ王者であり、DTMドイツ・ツーリングカー選手権やニュルブルクリンク24時間耐久レースなど多彩なシリーズ参戦経験を持つゴッツは、バサースト12時間の2019年前回大会で、ラファエル・マルチェロ、マキシミリアン・バークと組んで参戦し3位表彰台を獲得している。

トリプルエイト・レースエンジニアリングの888号車は、2020年デリバリーのメルセデスAMG GT3EVOとなる
ジェイミー・ウインカップ(中央)とともに、2019年VASCのエンデューロ・カップ王者も獲得したクレイグ・ラウンズ(左)はポルシェ陣営へ
2019年大会総合3位のマキシミリアン・ゴッツ(左)が888に加入。ラファエル・マルチェロ(右)、マキシミリアン・ブークはGruppeMのマシンをドライブする

 この新たなトリオと2020年型EVOモデルをProクラスに投入するトリプルエイトは、さらにもう1台をラインアップに追加することもアナウンスし、こちらはオール・オージーのドライバーラインアップを構築。ニック・フォスター、アントン・デ・パスカーレ、サム&ヤセル・シャーヒンをPro-Amクラスにエントリーさせる。

 その他、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ開幕戦でもある同イベントに向け、AMGカスタマーレーシングのファクトリーマシン3台のラインアップも確定。Proクラス参戦組のクラフト-バンブー・レーシング、グループMレーシングのドライバー陣が発表され、クラフト-バンブーからは2019年のブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップで総合3位、スパ24時間で表彰台も獲得したマーロ・エンゲルに、イェルマー・ブールマン、ルカ・シュトルツのトリオに。

 一方のグループMは、すでに発表済みだった南米大陸ブラジルのスタードライバー、フェリペ・フラガに加えて2019年の表彰台ペア、マルチェロ、ブークがジョイント。2016年SCBストックカー・ブラジル王者のフラガは、2019年のデイトナ24時間、セブリング12時間に続いてのメルセデスAMG GT3となり、SCBで所属する名門チームCimed Racingと同じく、ブラジル最大の製薬企業Cimedのロゴが入るマシンで戦う。

 この3台のProクラスと、1台のPro-Amクラスに加えて、シルバーカップにもサンエナジー1・レーシングとブラックファルコンによる2台のAMG GT3がエントリーし、メルセデス陣営としては2020年のバサースト12時間に向け、計6台のマシンを投入することとなった。

トリプルエイト・レースエンジニアリングはPro-Amクラスに777号車を投入し、VASCの若手アントン・デ・パスカーレらを起用する
グループMレーシングの999号車は、2016年SCBストックカー・ブラジル王者のフェリペ・フラガがステアリングを握る
シルバーカップに参戦のブラックファルコン46号車は、パトリック・アッセンハイマー、セルゲイ・アファナシェフを起用。後日もう1名が発表される予定だ

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