トヨタ「KINTO」欧州でサービス開始 リース・カーシェア・乗り合いなど展開

トヨタはヨーロッパでKINTOのサービスを開始すると1月14日に発表した。KINTOブランドで4種類のサービスから展開を進める。モビリティサービスに特化したブランドとしてKINTOの展開を進めていく方針だ。

日本では、2019年1月に株式会社KINTOに設立し、同年7月には愛車サブスクリプションサービス「KINTO ONE」を全国で展開。取り扱い車種を段階的に充実させるなど拡大を続けてる。今回の欧州でのサービス導入もモビリティカンパニー変革に向けた成長戦略の一部だと位置づけられており、欧州全域のユーザーにモビリティサービスを提供することに特化した新しいブランドとしてKINTOを発売する、としている。

今回のリリースでは、トヨタが目指すモビリティサービス提供の拡大方針についても触れ、4つの戦略的柱を以下のように挙げている。

・専用ブランドを使用して、個人から法人顧客、都市まで、モビリティユーザーの新しいカテゴリにアピールする。

・フルサービスリース(FSL)市場でのシェア拡大を目指す。これは、マルチブランドのオールインワン車両と、サービスオファーを企業および個人の顧客に提供することで構成される。

・データとコネクティビティの力を利用して、実行可能な場合にカーシェアリング、カープーリング、サブスクリプションなどのサービスを開発、開始する。

・自動運転の将来の進歩を、例えばグローバルレベルで現在開発中のe-Paletteコンセプトを使用して、自動化されたMaaS輸送に統合する準備をする

■KINTOブランドで展開するサービス

KINTOブランドのサービスは、ビジネスケースに応じて展開していく予定。ヨーロッパ市場で導入される最初のサービスとして、下記を挙げている。

KINTO One

車両、サービス、保険を1カ月の支払いで組み合わせて所有権を容易にするフルサービスリースを提供する。

KINTO Share

ランニングコストなしで利用可能な大型ハイブリッド車のカーシェアリングサービス。欧州(ダブリン、ベネチア、コペンハーゲン、マドリード)で既に稼働している既存のカーシェアリングサービスYukoは、KINTOにブランド変更される。

KINTO Join

法人向け乗り合いサービス。従業員の通勤時に活用することができ、相乗りによるCO2削減の面から企業にもメリットがあるとしている。

KINTO Flex

サブスクリプションベースのカーリース。

そのほかにも、配車サービスやマルチモーダルアプリなどのサービスも検討しているとのこと。KINTOのWebサイトでは配車サービス「KINTO Ride」が間もなくリリースされるとのアナウンスがある。

■トヨタモーターヨーロッパ President兼CEO・Johan van Zyl氏のコメント

「KINTOは、欧州全体のビジネスを成長させる戦略の一部です。実行可能で持続可能な市場では、従来のビジネスモデルにモビリティサービスを追加することで、新しい顧客のニーズに対応し、都市や地域の新たなモビリティ要件をサポートすることができます」

■トヨタモーターヨーロッパ Executive Vice President・Matthew Harrison氏のコメント

「当社の新しいモビリティブランドであるKINTOは、進化するお客様のモビリティニーズを満たすために、会社がこれまで以上に強い決意で臨んでいることを示しています。トヨタとレクサスは定評のある自動車ブランドであり、信頼できる高品質の自動車を中心に構築されています。 KINTOの使命は、モビリティサービスの強力なブランドを創り出すことです。これは、自宅に近い場所に移動する場合でも、他の場所へ移動する場合でも、常に優れた顧客体験を提供するブランドです。 KINTOは、『すべての人に移動の自由と楽しさを(原文:to deliver Ever Better Mobility for All)』というトヨタの野望を象徴しています」

© 株式会社自動車新聞社