【スコットランドが舞台の最新英国ミステリー】「証拠は語る~誰が母を殺したのか」ドラマの魅力に迫る!

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2019年12月に放送開始されたばかりの最新英国ミステリー「証拠は語る~誰が母を殺したのか」。スコットランドを舞台に、最近の犯罪もののいろんなトレンドが詰まった見どころ満載な作品。2/8(土)のAXNミステリーでの放送前に、その魅力をご紹介します。

萩原麻理(はぎはら・まり/ライター)

スコットランドで繰り広げられる、女性たちのドラマ

このドラマでまず思ったのは、最近の犯罪もののいろんなトレンドが組み合わさっていること。例えば謎解きの部分は、『CSI』シリーズから始まった科学捜査がメイン。ぎりっとしたリアルな心理劇の部分からは、北欧ミステリーの影響も感じられます。さらに女性中心のスタッフによる女性たちのドラマ、というところはグローバルな流れ。けれどいちばん新鮮なのは、そういったものをたっぷり吸収したストーリーが、スコットランドの小都市、ダンディーで繰り広げられるところです。だからこそキャラクターに親しみが湧くんですよね。アメリカのドラマのように派手なアクションやスター・キャストはなく、北欧ドラマのような容赦のなさもなく、現代的だけれども普通にいる人々の物語として描かれる。ドラッグなどダークな側面も出てきますが、それも「地元の生活の一部」という感じなのです。

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主人公エマは、故郷で母の死の謎に直面する

主人公エマ(モリー・ウィンザー)は、ダンディーの大学内にある科学捜査研究所=SIFAで助手として働きはじめた若い女性。彼女は実は7歳までダンディーで暮らしていましたが、母を亡くし、叔母と暮らすためマンチェスターに引っ越していました。そして戻ってきた故郷で母の死について新たな事実を知り、真相を追うことになる。大きなきっかけは、SIFAのオンラインのコースで出てきた「架空の事件」があまりにも母親の事件に似ていたこと。そのショックによって過去に目が向くことで、エマの周辺で人間関係が絡み合い、新たな出来事も発生します。

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怪しい出来事の連続! 感情のジェットコースター

モリー・ウィンザーは英国アカデミー賞のテレビ部門で主演女優賞を受賞した実力派の22歳。彼女が演じるエマは、結構大変な役です。というのも、新しい仕事にやる気満々、希望に満ちていたのに、いきなり平手打ちのように母の死に直面させられた彼女は、そんななか、ある男性と運命的に出会ってしまう。加えて、幼馴染やその母親、実の父親ら、ダンディーで彼女を迎えた「懐かしい顔ぶれ」が、なんだかそれぞれが怪しい行動を取り始めるのです。もう、感情のジェットコースター! エマはだんだん疑念にとらわれ、誰も信じられなくなる。そのサイコドラマを演じるバランスはかなり難しいはず。でも、見ている方も徐々に引き込まれて、彼女同様、人々のセリフや行動に注意を払うようになるのです。

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というのも、職場の人々もみんな知的でいい人そうなのに、ちょっとしたところで意外な顔を見せる。SIFAの上司や同僚はほぼ全員女性。それが特別なことでもなく普通の設定になっているのは、かなりいまっぽいと思いました。彼女たちは科学的な手順を踏み、明確な物証を見つけることを目指しています。メインの二人、サラ・ゴードン教授(ローラ・フレイザー)は「火のマエストロ」で、火災が残す物証の分析に長けている。キャシー・トレンス教授(ジェニファー・スペンス)はシャープな知性派ながら、意外に情熱的な面も持つツンデレな人。後半の彼女たちの活躍は見ものです。

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恋愛要素もあり。でも、その相手は……。

そしてエマが恋に落ちる男性、ダニーを演じるのはヒットシリーズ『ライン・オブ・デューティ』のマーティン・コムストン。UKでは彼を見るためにこのドラマをビンジ・ウォッチした人も多いのだとか。誠実そうなダニーにも隠された動機があるのかどうか、見ていて悩むところですが、年上の女性たちが彼をどう判断するかがちょっとしたヒントになります。そう、ひとつ細かいところで面白かったのは、主要キャストだけでなく、警察や研究所でアシスタント的仕事をしている女性たちにも個性的なセリフや行動が割り振られているところ。しかも、それが「白か黒かわからない」人物や事象を判断する手がかりになっている。女性の観察眼や仕事のやり方が鍵になってるんですね。このへんは、原案を手がけたスコットランドの推理作家、ヴァル・マクダーミドや、脚本家アメリア・バルモアのアイデアじゃないでしょうか。

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そして、科学捜査と心理劇が相互作用するラストへ

ただ、このドラマで一番暗さを見せるのが、エマの父親世代の人々。みんなエマの母親の死を引きずって、ちょっと壊れているのです。ぱっと見はみんな地に足がついた、実直そうなスコットランド人。なのに、どこか秘密の匂いがする。過去に縛られた中年の男女です。シリーズが進むにつれ、その人間模様は複雑になり、さらにはいくつかの事件が並置され、それが繋がっているのか、いないのかがなかなか明かされません。

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一つはもちろん、エマの母が殺された過去の事件。それに加え、SIFAが捜査に関わっている事件があります。地元のナイトクラブで死者を出した火災事件を調べているのは、もちろんサラ教授。エマ自身はダンディーの街に出回っている新型のドラッグを分析しています。この二件の行方は、果たしてエマの母の死へとたどり着くのか。SIFAはどんな働きを見せるのか。エマは信じられるものを見つけられるのか……。科学捜査と心理劇をどう両立させるかが、このドラマの真骨頂です。ただそんな最中でも、どこかのんびりとした街をエマがカゴ付き自転車で移動していたりする。人々が話すセリフも当然、スコットランドのアクセント。そのユニークさを、ぜひ味わってみてください。

萩原麻理(はぎはら・まり/ライター)

「証拠は語る~誰が母を殺したのか?」(全6話) AXNミステリーで、2月8日(土)夕方4時、一挙放送!

番組公式サイト「証拠は語る~誰が母を殺したのか?」 AXNミステリー

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