ダカールラリー2020:ホンダ31年ぶりの栄冠。二輪部門はリッキー・ブラベックが総合優勝

 1月5~17日にサウジアラビアを舞台に12ステージ開催されたダカールラリー2020。二輪部門ではモンスター・エナジー・ホンダ・チームのリッキー・ブラベックが総合優勝し、ホンダにとって1989年以来となる31年ぶりのダカールラリー総合優勝を獲得した。

 1979年から開催が始まり今年で42回目を迎えたダカールラリーは、砂漠や山岳地帯などを走破するレースだ。今年はサウジアラビアで開催され、13日間で全12ステージ戦い、総走行距離は7000km以上となる。

 CRF450 RALLYを使用するモンスター・エナジー・ホンダ・チームからは、ケビン・ベナバイズ、リッキー・ブラベック、ホアン・バレダ、ホセ・イグナシオ・コルネホ、アーロン・メアの5名のワークスライダーが参戦した。

 今大会で総合優勝したのは2016年にTeam HRCからダカールラリーに初参戦し、5度目の挑戦となったアメリカ人のブラベック。

 ブラベックは第3ステージで優勝し総合成績でも首位に立つと、その後のステージでも総合首位を守る。第6ステージでも優勝し第12ステージが終了するまで首位を譲らず総合優勝に輝いた。コルネホは4位、バレダが7位フィニッシュし、3名がトップ10入りを果たした。

CRF450 RALLYを駆るリッキー・ブラベック(モンスター・エナジー・ホンダ・チーム)

 1981年のパリ・ダカールラリー第3回大会から参戦を開始したホンダは、1982年に初優勝すると1986~1989年までNXR750で4連覇を達成。1990年からは参戦を休止するが、2013年にCRF450 RALLYで南米開催のダカールラリーに復帰した。

 2015年と2018年には総合2位を獲得するも一歩及ばず、復帰8年目にして今大会で総合優勝を果たした。この総合優勝はブラベック自身初であり、ホンダにとっても31年ぶりの総合優勝となった。

ホンダ ダカールラリー2020 優勝

 初の総合優勝を飾ったブラベックは「とうとうやった。ホンダにとっても、チームにとってもこれ以上嬉しい勝利はないと思う」と以下のように喜びを表す。

「非常にタフで、距離も長いレースだったが、チームは一体となり、ライダー、そしてメカニックも最高の仕事ができた。今日の最終ステージでは、マシンも非常に調子良く、みんな無事にここまで来ることが第一の目的だった」

「ホンダチーム、そして我々をサポートしてくれたスポンサーの皆さまにこの上なく感謝している。そして去年までチームメイトだったパウロ・ゴンサルヴェス選手にも、心から感謝している。サウジアラビアで初めて開催されたダカールラリーだが、とにかく景色が素晴らしい。来年もまた参戦する」

 HRCの野村欣滋代表取締役社長は「まずは、リッキー・ブラベック選手、優勝おめでとう。また、バレダ選手、ベナバイズ選手、コルネホ選手、いずれも素晴らしい結果をありがとう。そして、選手を支えたすべてのチームスタッフ、すべての開発チームの皆さん、ご苦労さまでした」と感謝のコメントを述べた。

「復帰してから8年目で、ようやく念願の優勝にたどりつけました。この7年間の敗戦から学び、そして関係者すべてで積み重ねた努力の結果が、この素晴らしい結果をもたらしてくれました。すなわち、これまでの7年間でダカールラリーに関わったすべてメンバーの努力がもたらしてくれたチームホンダの勝利です」

「そして、忘れてはならないのが、昨年までの6年間、我々と闘ってくれたゴンサルヴェス選手の大きな貢献が、この素晴らしい結果をもたらしてくれたということです。ゴンサルヴェス選手への感謝の意を表するとともに、ご冥福をお祈りしたいと思います。最後になりましたが、我々を支えて頂いたスポンサーの皆さま、そしてこれまで応援頂いたファンの皆さまに、深く感謝申し上げます」

ダカールラリー2020 ホンダ31年ぶりの総合優勝

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