地質年代 「チバニアン」命名 国際学会が正式決定 茨城大教授ら申請

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「チバニアン(千葉時代)」との命名の決め手になった千葉県市原市の地層=17日午後

国際学会「国際地質科学連合」(IUGS)は17日、約77万4千〜約12万9千年前の地質年代を「チバニアン(千葉時代)」と命名することを正式決定した。地球史の時代区分と言える地質年代に、日本の地名が付くのは初めて。命名を申請していた日本の研究チーム代表の岡田誠・茨城大教授(古地磁気学)は、都内で記者会見し「この日が来ることは想像できなかったが、何とか決定されて感無量だ」と語った。

岡田教授らのチームは2017年6月、千葉県市原市の「千葉セクション」と呼ばれる地層を、地球史の区切りを示す代表的な地層「国際標準模式地」の候補として、IUGSに申請した。

養老川沿いの崖に露出している千葉セクションは、約77万4千年前に地球の磁場(地磁気)のN極とS極が逆転した痕跡が、理想的な地層の積もり方をして残っている。

イタリアも同様に2カ所の地層を申請していたが、IUGSは千葉セクションの方が地磁気逆転の痕跡をはっきり読み取れると認定。19年11月までに1〜3次の審査を通過していた。

韓国・釜山で同日開かれたIUGSの理事会で最終審査の投票が行われ、6割以上の賛成を得て正式に決まった。

46億年の地球の歴史は、地層中の化石などから読み取れる生物の絶滅や環境の変化に基づき、「ジュラ紀」「白亜紀」など117に区分されるが、これまで早くに地質学が発展した欧州の地名が多く採用されてきた。今回、命名が決まった時代は「中期更新世」と呼ばれ特定の名前がなかったが、今後は地学の教科書などでチバニアンと記される見通し。

岡田教授は「申請から2年半、ようやくゴールできた。支援していただいた全ての人に感謝したい」とした上で、「地質年代は既に決まった名称を暗記するだけのつまらないものだったが、私たちが決めることができたことで、地質学が身近な学問になるのではないか」と期待した。

審査を巡っては、申請に反対する日本国内の学者らが「データに問題がある」とIUGS側に働き掛けて審査が一時中断するトラブルもあったが、最終的にチームの主張が認められた。(高岡健作)

■「本学の大きな喜び」 茨城大三村学長
地球史の一時代を「チバニアン」と命名することが正式決定したことについて、茨城大の三村信男学長は「わが国の科学史における輝かしい成果。岡田誠教授が合同チームの代表として今回の申請に尽力したことも、本学の大きな喜び。市原市をはじめ地域の市民や自治体の皆さまのご尽力、長年にわたる多くの研究者の調査研究のたまものであり、多大なご努力に心より敬意を表します。千葉セクションに対し世界各国の研究者の注目がさらに高まり、開かれた研究交流の場となって、科学の研究と教育の発展につながっていくことを期待します」とのコメントを出した。

「チバニアン」の命名が正式決定したことを発表する茨城大の岡田誠教授=17日午後、東京都立川市