河井案里氏秘書を聴取 広島地検、公選法違反疑い

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 自民党の河井克行前法相(衆院広島3区)の妻案里氏(参院広島)の陣営が昨年7月の参院選広島選挙区で、法定上限を上回る報酬を車上運動員に渡したとされる事件で、広島地検は17日、公選法違反(買収)の疑いで、案里氏の公設第2秘書の男性を任意で聴取した。秘書は参院選当時は選挙事務所のスタッフで、車上運動員との調整役などを担っていた。地検は河井夫妻の関与の有無を含め、実態解明に向けた捜査を本格化させている。

 秘書はこの日午前9時半ごろ、広島地検がある広島市中区の広島法務総合庁舎前で記者の問い掛けに対し「調査中なのでお話しすることはできません」と話し、庁舎に入った。同日午後5時40分ごろ、同市内の自宅に帰り、自宅前での記者の取材に「捜査中なので何もお答えできません」と話した。

 公選法と同法施行令は、選挙カーからマイクで支持を呼び掛ける車上運動員への1人当たりの日当は1万5千円までと定めるが、案里氏の陣営は車上運動員13人に対し、倍額の3万円をそれぞれ払った疑いが浮上している。違法報酬の総額は102万円に上る。関係者によると、この秘書が当時、13人との調整役を務め、支払い手続きも担当していた。参院選前は克行氏の秘書だった時期もあり、参院選後に案里氏の秘書になったという。

 違法報酬の疑惑は昨年10月末に週刊文春が報じ、克行氏は法相を辞任。広島県内の有権者や大学教授たちから相次いで告発状が地検に提出された。地検は車上運動員や陣営関係者、他の秘書への任意聴取を進めてきた。今月15日には秘書の自宅のほか、河井夫妻の各事務所などを一斉に家宅捜索。押収した資料の分析も進めている。

 参院選広島選挙区では、自民党が21年ぶりの2議席独占を狙って案里氏を擁立。自民党現職と無所属現職との激戦となり、案里氏が初当選し、自民党現職が落選した。地検は、車上運動員に違法な報酬が支払われた経緯を詳しく調べる。

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