都市農業維持へ「生産緑地」年内にも開始 税優遇、広島市が説明会

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広島市が導入時期の見通しを示した生産緑地の説明会(広島市安佐南区)

 都市部の農業を維持するため農地の固定資産税などを軽くする「生産緑地制度」の導入を検討している広島市が、早ければ年内に制度を始める見通しを示した。JA広島市本店(広島市安佐南区)で15日夜に開いた農家向けの説明会で明らかにした。

 説明会には約80人が参加。市の担当者が開始時期について「順調に進めば今年中には何らかの動きができるのでは」と述べた。都市計画課の黒瀬比呂志課長は閉会後「農家の皆さんの意見を整理した上で最短なら春ごろに指定の希望を申し出てもらい、手続きを経て年末までには指定できる」との見込みを示した。

 導入するかどうかは自治体が判断できる。国土交通省によると、中国地方で導入した自治体はない。

 会合では市が制度案を説明した。検討中の指定要件として、500平方メートル以上の面積や直近の農産物の販売実績、後継者が不在になっても貸借で営農を続ける意思の明示などを挙げた。

 参加者は「面積要件を引き下げてほしい」「市民に都市農業の有用性を伝えて」と要望した。「新しく建ったアパートの日陰で農業が続けられなくなるとどうなるのか」などの質問も相次いだ。市農政課の藤原宣之課長は「意見をくみながら広島市型の制度を早急に整えたい」と強調した。(新本恭子)

 <クリック>生産緑地 生産緑地法に基づき、市町村が指定する。市街化区域にある500平方メートル以上の農地が対象で、指定されると現在は宅地並みに評価されている固定資産税が農地評価に変わる。30年間は農地として管理し続けることが義務付けられ、建築は一部を除いて制限される。面積要件は条例で300平方メートルに下げられる。

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