「認知症 当事者目線で考えて」 諫早で講演会

市民約950人が参加し、「認知症バリアフリー」をテーマに意見交換した講演会=諫早文化会館

 認知症の人や家族への理解を深める講演会(諫早市主催)が13日、宇都町の諫早文化会館であった。市民約950人を前に、福祉ジャーナリストや専門医が「認知症バリアフリー」をテーマに意見交換した。
 国は昨年、2025年度までの認知症対策の指針となる大綱を決定。大綱では、認知症の人が日常生活で不便に感じる障壁を減らす取り組み「認知症バリアフリー」を柱に位置付けた。
 元NHKキャスターで福祉ジャーナリストの町永俊雄さんは「認知症バリアフリー」について「当事者の目線で『できること』をともに考える。私たち自身の変化こそがバリアフリーへの第一歩」と提言した。
 この後、町永さんと市認知症専門嘱託医の宮田史朗さん、市認知症対策推進会議委員で歯科医の増山隆一さんが意見交換。宮田さんは「認知症になっても困らないように備えることはできる」と助言。増山さんは、市内の医療や介護などの専門職研修を報告しながら「認知症の人の気持ちを『わが事』として聞くことで、その人の『障壁』に気付ける。希望を基に、住み慣れた地域で自分らしく生きることができるまちづくりが大切」と述べた。

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