M-1優勝コンビ・ミルクボーイ NSC東京で特別授業!食シリーズの最新ネタは「ぶり大根」

「M-1グランプリ2019」の優勝コンビ・ミルクボーイ(内海崇&駒場孝)が17日、東京・神保町で吉本興業が運営するNSC(吉本総合芸能学院)東京校に登場。昨年入学したおよそ80人の現役学生を前に、初の特別授業を行った。2人はオーディションで合格して芸人になったため、NSC卒ではない。それでも、芸人のタマゴたちが挙手で出した質問に丁寧に答え、真面目すぎる一面を見せた。

大阪芸術大学落語研究会で出会った2人は、在学中からステージに立っており、吉本のオーディションに合格した翌年(08年)、劇場メンバーに選出された。スタートダッシュは順調だったが、メンバー漏れしたあたりから失速。目標であった「M-1」が00年でいったん終了したことも大きく、内海はギャンブルに狂って借金を背負い、駒場は「先輩に誘われて週6で淡路島でバーベキュー」。「何もしない時期が5年も続いた」(内海)という。

転機は、上方女流漫才師のトップである海原やすよ・ともこがさりげなく放った「昔はおもろかったね」。「5年もさぼり飽きた」(駒場)ことで、もう一度漫才と真剣に向き合う決意を固めた。

“笑いの殿堂”NGK(なんばグランド花月)では長年、アキナと前説を務めた。アイドルの格好をして、長縄を飛ぶ役目だった。ひとしきり盛り上げたあと、「NGKトップの(出番で)後輩のミキとすれ違ったときは情けなかった」(駒場)。「アキナは、『キングオブコント』で決勝に出て、前説を卒業。辞めるならその辞め方をしたかったんで、逃げないで続けた」(内海)。その内海は、NGKの前にある飲食店でバイトしていたとき、後輩に何度も控室に食事を届けている。

運命が変わったのは昨年5月。「M-1」優勝のきっかけとなった“コーンフレークネタ”が完成したのだ。「ヘンな後輩がいて『コーンフレークでダイエットしてます』って言ってきて、今の時代に?(笑)」(内海)、「いつ流行ってん。痩せるわけないやろ」(駒場)、「そのときは無視した」(内海)が、ネタ作りを常にしていた習性で、“おもしろセンサー”が起動した。改良を重ね、ウケるネタに昇華させた。

優勝賞金の1,000万円はまだ受け取っていないため、生活のレベルは変わっていない。それでも多忙さは加速しており、オフは返上。週に何度も住まいの大阪と東京を往復している。既婚者の駒場、9年も交際している彼女が関西にいる内海ともに、「お金にあんまり興味がない」。内海は「彼女に『欲しい』って言われたら、あげますよ。吉本だけの給料で30万円が3カ月を超えたら結婚するので、吉本は3月25日が給料日やから…。4月12日が付きあって9年の記念日なんで、そこでしよっかなぁ」と、ゴールインの日取りをオープンにした。

今後も拠点は、関西のまま。劇場で漫才をする基本姿勢にブレはない。コーンフレーク、もなかに続く食シリーズの最新ネタは、「ぶり大根」(駒場)だという。

(写真・文=伊藤雅奈子)

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