元CY賞右腕「翌日の先発投手が監督室でサイン盗みシステムを操作」などと激白
メジャーリーグを揺るがせているサイン盗みはアストロズ、レッドソックス、メッツの監督が解任される事態に発展している。そんな中、1993年にサイ・ヤング賞を受賞するなどMLB通算127勝をマークしたジャック・マクダウエル氏が衝撃的な証言を米メディアで展開した。槍玉にあげたのは、大谷翔平投手も所属するエンゼルスのシニアアドバイザーを務め、野球殿堂入りも果たしたかつての名将トニー・ラルーサ氏だ。
米スポーツメディア「ESPN」は 「80年代にホワイトソックスで、サイン盗みのシステムを作っていた」の見出しで、マクダウエル氏の“訴え”を掲載した。マクダウエル氏は1987年にホワイトソックスでメジャーデビュー。MLBで12シーズンに投げたが、79年からホワイトソックスの指揮を執っていたラルーサ氏は86年途中に解雇されており指揮下で投げたことはない。しかしマクダウエル氏は地元ラジオ局「WFNZ」の番組「サ・マック・アタック」に出演し、こう語ったという。
「1980年代、かつてのコミスキー・パーク(ホワイトソックスの本拠地)にそのシステムは存在していた」「センターにあったゲータレードの看板の所にライトがあった。そして、監督のオフィスに(操作する)スイッチと、キャッチャーをズームできるカメラがあった」
更にマクダウエル氏の話は続く。
「もうこのことについてはっきり言おうと思う。トニー・ラルーサが、これを設置したんだ。彼はまだ野球界で金を稼いでいるけど、彼をこのことで責めようとする人は誰もいないんじゃないかな。ただ、もうこんなことに嫌気がさしてきた。特定の人たちだけが責められるべきじゃない」とマクダウエル氏は語ったという。
75歳のラルーサ氏は現在エンゼルスのシニアアドバイザーを務める
75歳のラルーサ氏は1979年から86年途中までホワイトソックス、86年途中から95年にアスレチックス、96年から2011年までカージナルスの監督を歴任。最優秀監督賞に4度選ばれるなど、メジャー歴代3位の監督通算2728勝(2365敗)を挙げた歴史的名将。マクダウェル氏の話が事実であれば衝撃だ。
マクダウエル氏が語ったところによると、このシステムは次の日の先発投手が、監督室で捕手のサインを見て、ゲータレードの看板のライトを操作してホワイトソックスの打者に知らせるものだったというう。
「この昔のシステムについて私がこれまで何も言わなかったのは、(1991年に)新しい球場になったときに、それがそのままあったのかどうか知らなかったからだ」「(新しい球場にもそのようなものがあったという)噂は聞いたことがあったけど、それはもう、次の日の先発投手にオフィスでスイッチを操作せさるようなものではなかったようだ」。
「ESPN」はラルーサ氏にコメントを求めたが、エンゼルスからの返答はなかったという。今回のサイン盗み問題は、思わぬ形で過去のMLBに波及している。(Full-Count編集部)