NPTへ反核機運醸成 「長崎連絡会」が発足

長崎連絡会の結成集会で思いを語る参加者ら=長崎市岡町、長崎被災協地下講堂

 4、5月に米ニューヨークで開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、長崎市の被爆者らが18日、世界の平和運動家らによる現地での反核運動を支援する「長崎連絡会」の結成集会を同市で開いた。長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(79)は「生きているうちに核廃絶のめどを付けよう」と訴え、草の根運動による機運醸成に期待した。
 各国の非政府組織(NGO)などは4月24~26日、原水禁世界大会を現地で開く。幅広く参加を促そうと、田中氏や核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員長の朝長万左男氏(76)、カトリック長崎大司教の髙見三明氏(73)ら5人の呼び掛けで連絡会を立ち上げた。
 集会には現地を訪れる被爆者や大学生を含む約110人が参加。朝長氏が基調報告し、米国とロシアがNPTの核軍縮義務に逆行しているなどとして「NPT体制は劣化している」と指摘、再検討会議の重要性を説明した。日本政府が、再検討会議前に核軍縮に関する新たな国際会議の東京開催を検討していることも紹介した。
 長崎大司教区司祭の山内清海氏(84)は、昨年11月に来崎したローマ教皇フランシスコの核廃絶のメッセージについて講演し「教皇は核抑止論を否定し、核を持とうとする考えも根底から崩そうとした」と述べた。

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