佐賀フル推進派が意見交換 国交省「負担軽減へ法改正も」 新幹線長崎ルート

国土交通省とJR九州の担当者を招いた意見交換会=佐賀市大和町、ウェルネス大和

 九州新幹線長崎ルートで未着工となっている新鳥栖-武雄温泉のフル規格整備を目指している佐賀県内の関係者らが18日、国土交通省とJR九州の担当者を招き、佐賀市内で意見交換会を開いた。国交省の担当者は、佐賀県との協議の中で財政負担の軽減を求められれば、軽減のための法改正も検討する考えを示した。
 意見交換会は、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームメンバーの今村雅弘衆院議員(比例九州)が呼び掛け、国会議員や沿線自治体の首長、市民ら約130人が参加した。冒頭以外、報道機関には非公開。
 整備新幹線の建設費は、JRが国に支払う線路使用料(貸付料)を充て、残りを国が3分の2、地元自治体が3分の1を負担する仕組み。同区間の整備方式を巡っては、佐賀県側は財政負担などを理由にフル規格前提での協議に反発。国は譲歩する形で、フル規格など五つの方式での協議を同県に提案している。
 意見交換会で、地元負担に関する質問に対し、国交省の足立基成幹線鉄道課長は「国として検討している状況ではないが、(佐賀県との)協議の中で出てくればしっかり考えていきたい」と法改正の可能性に言及した。終了後、足立課長は報道陣に、「法律が邪魔するからできないのは良くない。協議の中身次第だが、制度を変えていくとなれば積極的に対応したい」と前向きな姿勢を示した。
 意見交換会ではこのほか、JR九州の牛島康博新幹線計画部長がフル規格での整備効果を紹介。同ルートは新幹線と在来線を武雄温泉で乗り換える「リレー方式」で2022年度に暫定開業するが、牛島部長は同方式について「時間短縮効果が限定的。長期化や固定化は経営上も大きな問題」とし、フル規格での整備が必要とした。

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