マカロニペンギンのラブストーリー 距離縮める2羽の姿描く 長崎ペンギン水族館飼育員・村越さん 「恋するペンギン」出版

日々ペンギンの飼育に奮闘しながら「恋するペンギン」を書いた村越さん(中央)とマカロニペンギンのドリー(左)とぱく(右)=長崎ペンギン水族館

 長崎市宿町の長崎ペンギン水族館の飼育員、村越未來さん(33)が、同館で暮らす2羽のマカロニペンギンの恋物語「恋するペンギン-水族館でくらすドリーとぱく」を出版した。村越さんは「かわいいだけじゃなく、人間のような感情も持つペンギンの姿を知ってほしい。その上で、今までと違う目線からペンギンを見てもらえれば」と話す。

 現在、同館では世界で確認されている18種類のうち9種類170羽が飼育されている。マカロニペンギンは、南半球の寒い地域に生息し、体長は約60センチ。くちばしの付け根に見えるピンク色の地肌や頭頂部から左右に生えた黄色い飾り羽が特徴。国内では繁殖が難しく、同館の2羽を含め全国で十数羽が飼育されている。
 同書に登場する雌のドリーは1997年、長崎生まれ。2014年2月末に山口県下関市の「市立しものせき水族館海響館」から「お婿さん」として03年生まれの雄、ぱくを迎えた。ぱくはドリーに一目ぼれ。仲良くしようと試みても、当初は追い返され続けていた。それから約半年かけ、ドリーとの心の距離を少しずつ縮めていく過程を紹介している。
 イラストは長崎市のイラストレーター、山本春菜さんが担当。くちばしの大きさや体つきなどを丁寧に表現しており、飼育員が見ても「どのペンギンか識別できる」ほどリアルなペンギンが描かれている。
 同書には、ほかにも写真を使って、2羽の1日の様子やペンギンの生態などについても分かりやすく説明している。
 ドリーとぱくについて「今も仲良く過ごしている」と村越さん。2羽を一緒に見るには寝る時間になる夕方が最適という。
 B5判、36ページ、1320円。問い合わせは長崎文献社(電095.823.5247)。

今回出版した「恋するペンギン」。2羽が仲良くなるまでの様子が描かれている。

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