長崎は22位 都道府県対抗男子駅伝 粘り強く巻き返し 現状知った貴重なレース

9人抜きでチームを浮上させた長崎の3区的野(MHPS、中央)=廿日市市

 第25回全国都道府県対抗男子駅伝大会は19日、広島市の平和記念公園前発着コース(7区間48キロ)で行われ、長崎は2時間20分33秒で22位だった。長野が2時間17分11秒の大会新記録で3年ぶり8度目の優勝。兵庫が17秒差の2位、埼玉が3位に続いた。6位茨城までが昨年までの大会記録を上回るハイレベルなレースだった。
 長崎は35位発進と出遅れたが、3区的野遼大(MHPS)が9人抜きで25位まで巻き返した。その後は再び順位を下げたものの、6区川原琉人(三井楽中)の区間11位の力走などもあり、最後は7区山下一貴(駒大)が22位でゴールした。
 長野は3区を終えて15位だったが、4区以降が好走して逆転。6区吉岡大翔(川中島中)が区間記録を塗り替えてトップに立つと、アンカー中谷雄飛(早大)が区間2位でリードを守った。

 ■粘り強く巻き返し 現状知った貴重なレース

 状態は悪くないはずだった。全員が懸命にたすきをつなぎ、タイムは5位だった昨年を23秒上回った。だが、結果は22位。掲げてきた2年連続入賞に届かなかった。主将の3区的野(MHPS)は「自分たちの基準や目標値を上げていかないと、今の陸上界の流れに乗っていけない」と冷静に現状を受け止めた。
 ハイレベルなレースの象徴となったのは高校生区間の1区。大集団で最初の1キロを2分45秒で通過すると、16人が7キロを19分台で走りきった。35位に終わった長崎の1区林田(瓊浦高)は「突っ込むのは分かっていたが、いっぱいいっぱいになった。力不足。入賞を遠ざけて申し訳ない」と肩を落とした。
 そこから粘り強く巻き返した他の区間も、強豪チームのレベルを肌で感じた。昨年と同じ5区で4人をかわした花尾(鎮西学院高)は、タイムを21秒縮めたが、区間順位は下がった。一般区間の的野と7区山下(駒大)もタイムは前回同様ながら、ともに1桁だった区間順位は20位前後に落ちた。
 悔しさが残る結果ではあったが、今回は的野の言葉が示す通りに、長距離界の実情を知る貴重な経験になった。問題はそれを県全体でどれだけ検証して、いかに次につなげていけるかだろう。
 今春、MHPSに加入する林田は「悔しい思いで終わった。これを絶対に忘れず、チャンスがあるならこの舞台で晴らしたい」、的野も「下を見ず、しっかりと前を向いていく」と再挑戦を誓っていた。

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