「共生」意味問いかける 障害者にスポット、「道草」上映

映画「道草」のワンシーン(宍戸監督提供)

 重度知的障害者らの1人暮らしにスポットライトを当てた映画「道草」の上映会が26日、大磯町ふれあい会館(同町大磯)で行われる。2016年に入所者ら45人が殺傷された津久井やまゆり園事件の被害者や家族も登場、障害者が社会の中で生きる「共生」の意味を問い掛ける。

 上映会は10年目を迎える「福祉ショップセミナー」の一環。主催する「おおいそ福祉ショップ」は町ふれあい会館で約20年、同町や平塚市内の福祉施設で障害者らが手作りした商品を販売、障害者の自立を支え続けてきた。

 「道草」(宍戸大裕監督、95分)は、重度の知的障害と自閉症がある男性が重度訪問介護制度のヘルパーの手を借りながらも親元を離れて1人暮らしをする姿を追ったドキュメンタリー。やまゆり園入所者で、事件で重傷を負った男性が1人暮らしを模索する様子も描かれている。

 同ショップ運営委員長の山口髙志さんは「元職員の被告と同じように、口にせずとも障害者への差別意識を抱く人は多い。偏見による壁が少しでもなくなってくれれば」と来場を呼び掛けている。

 午後1時半から3時半まで。会費500円(中学生以下と障害者手帳を持った人は無料)。問い合わせは、山口さん電話0463(61)9611。

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