鷹・甲斐拓也が語る稲葉監督と五輪への想い 「金メダルをと気持ちが伝わる」

自主トレを公開したソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】

オフには“糖質制限”で体重管理、例年よりも4、5キロ減の80キロに

 温かな沖縄の太陽の光が降り注ぐ中、時に厳しく、そして時に笑いが巻き起こる明るい雰囲気の中で汗を流していた。2020年、侍ジャパンの一員として東京五輪での活躍も期待されるソフトバンクの甲斐拓也捕手である。

 楽天からヤクルトに移籍した嶋基宏捕手に“弟子入り”して2年目となった自主トレ。後輩の堀内汰門捕手や楽天の石原彪捕手、巨人の小山翔平捕手らとの練習を報道陣に向けて公開した。

 一昨季の日本シリーズで6連続盗塁阻止を記録し“甲斐キャノン”として一躍脚光を浴びた甲斐。稲葉篤紀監督が就任してから、野球日本代表「侍ジャパン」の常連となり、昨秋の「第2回 WBSCプレミア12」でも大会初優勝に貢献した。

 その甲斐、自主トレ公開後に東京五輪に向けた熱い想いを語っている。

「個人的に五輪に出たいと強く思います。ずっと稲葉さんが監督になって、代表に呼んでいただいて、稲葉さんを近くで見て、想いも聞いていますし、金メダル、なんとしても金メダルを取るんだというのが凄く伝わってきますし、そのためにやっていると思っている。金メダルを取らないといけないと思う。稲葉さんの近くにいて金メダルを取るという強い気持ちが凄い伝わってくる」

コンディションは「今までになくいい状態でこられている」と手応え

 2017年のオフに行われた稲葉監督の初陣となった「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」で初めて代表入り。その後は常に“稲葉ジャパン”のメンバーに選ばれ、その都度、稲葉監督の東京五輪にかける想い、金メダルへの覚悟を耳にしてきた。

 2017年オフといえば、甲斐が“甲斐キャノン”でブレークする1年前のこと。1軍でようやく出番を掴んだばかりでの代表選出だった。その頃に見出し、侍ジャパンの舞台に呼んでくれた稲葉監督だからこそ、金メダルで恩返ししたいという思いが強く胸にある。

 自主トレで汗を流す姿は黒く日焼けし精悍さを増した。このオフは体重を管理するために糖質を制限してきた。この自主トレ期間中で白米を口にしたのは、この日、集まった報道陣全員にも差し入れた沖縄名物「タコライス」が初めてだったという。

 肉体的な負担が大きいキャッチャーという仕事。そのため、オフに入ると、体重が増えてしまうのが甲斐の悩みだった。「去年から今年にかけて絞って、ベストな体重に持ってこられるようにとやってました。今までのオフで結構増えてしまっていたので、今年はそうならないようにと思ってやってました」。

 現時点で体重はほぼベストの80キロほど。例年に比べれば、4、5キロ落とした状態で、コンディションは「今までになくいい状態でこられている」と手応えを感じている。金メダルを目指す侍ジャパンと稲葉監督。その輪の中心で甲斐拓也が輝くことを期待したい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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