8K時代劇「帰郷」で常盤貴子が仲代達矢の気迫に圧倒「あんなに役をまとってスタジオに入ってくる俳優さんはいない!」

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時代劇専門チャンネルが制作したオリジナル時代劇最新作「帰郷」(原作:藤沢周平、主演:仲代達矢)が、2月のテレビ初放送に先駆けて、1月17日より東劇(東京都・中央区)をはじめ全国19館の劇場にて期間限定上映が開始。初日には、劇中で重要な役どころを演じた常盤貴子、緒形直人、監督の杉田成道氏が出席し、撮影のエピソードなどを語った。

かつては木曾福島を縄張りとするばくち打ちだった宇之吉(仲代)は、親分の罪を被り、江戸に身を寄せた。故郷を出て30年余りの月日が流れ老い先を思い帰郷を決心。故郷にたどり着いた宇之吉は、幼なじみの佐一(橋爪功)と再会し、衝撃の事実を耳にする。

「北の国から」などを演出してきた杉田監督は今回で3作目の藤沢作品ということで、「いろんなジャンルの時代劇がある中で、藤沢作品は人の存在とか人情とか、娯楽を超える何か深みのようなものがあり、掘れば掘るほどやりがいがあります。ただ、今日本では時代劇が消えようとしている。でも、われわれは日本人ですから、なんとかしてその日本人としての気持ちみたいなものを次の世代にバトンタッチしていかなきゃいけない。ぜひ、時代劇ファンの皆さんに支えていただいて、皆さんの孫の世代に継承できるような形を作っていきたいなと。そのためには、お客さんがいないとだめですから、そのお客さんと輪を広げていきたいと、切実に思っております」と時代劇がなくなってしまう危機感をあらわにした。また、「この作品は、老人の老人による老人のための映画となっております」と会場に来ていた時代劇ファンの笑いを誘った。

仲代演じる宇之吉を、常盤演じる・おくみと源太役の緒形が見送るシーンについて聞かれた常盤は、「あのシーンと言われると、もう、何度も“ばかやろー!”って言いました。何度も何度もあまりにも何度も何度も繰り返されるので、緒形さんに『いつもですか? 監督?』って聞いたら、『前はもっとひどかったよ!』と。それを聞いて“あ~、これでマシなら、出会えたのが今でよかった!”と思ったぐらいすごく印象的なシーンでした」と当時を振り返ると、杉田監督は「最後に一人で歩く仲代さんのアップのシーン、実はこれ、15回ぐらいやりました。毎回毎回『人はどうやって死んでいくんだろう?』というようなことを仲代さんに問いかけながら。『羊水に帰るような、ある種の穏やかな感じになっているのか、あるいは、まだ残したものがあって煩悶の気持ちがあるのか』。いろんなパターンを演じてもらい、結局2日間にわたり同じシーンを演じてもらいました」と演出へのこだわりを披露した。

また緒形は、「杉田監督による『優駿 ORACION』(1988)の映画デビューから今作の『帰郷』まで、導かれるまま演じさせいただき、やっぱり杉田組はかけがえのない場所だと思いましたので、また呼んでください」と監督へアピールし、デビュー作で共演し、今回約30年ぶりとなった仲代についても「ずっと役者として、男としてのあこがれ。約30年ぶりにご一緒できて、飛び上がるほどうれしかった」と再共演に喜んだ。続けて「その間の成長を届けたかったし、今回こそは足を引っ張らないように最後までやり遂げるんだ!という思いで臨みましたが、見事惨敗で…(笑)。そして、今回も何度もお芝居に付き合っていただきました。今回、この作品でまた仲代さんとご一緒できたことや、自分の反省点も含めて、一段、二段ぐらい階段が上れたと思っておりますので“次はぜひ!”という感じでくらいついていきたい」と意欲を燃やしていた。

同じく仲代との共演について聞かれた常盤は、「ものすごい迫力でした! 仲代さんとの最初のシーンでスタジオに入って来られたときに、何かにつかまっていないと倒れてしまいそうなぐらい弱ってしまっていて、お年もお年なので、“あ~、大丈夫かな?”とすごい心配になって…。帰りにエレベーターでご一緒したときも『お疲れさまでした』と言いながらずっと私の手を握ったままだったのですが、お付きの方に、『はい! そこ、手握らない!』って怒られて、“あ~、あれはお芝居だったんだ”って、びっくりしました! すっごい元気です! 仲代さん!! 安心してください!(笑)」と会場の笑いを誘いながらも、「あんなに役をまとってスタジオに入ってこられる姿に圧倒されて、すごくいい経験をさせていただきました」と語った。

会場の観客へのメッセージとして杉田監督は「もう言うことはないが、お帰りになったら『面白かったよ』の一言を家族、お友達の皆さんに伝えてください」とし、緒形は「スケールも含め、映画を意識して映画にこだわって作った作品ですので、やはり映画館でも見ていただきたいと思っておりますので、いろんな方にすすめてください」アピールした。そして最後に、「やっぱり、仲代さんはスクリーンがお似合いになると思うんです。そんな仲代さん、中村敦夫さん(九蔵役)、三田佳子さん(おこう役)、日本を代表する全てのすばらしい俳優の方々をぜひ、スクリーンで見ていただきたいと思います。そして、劇場に来られない方々のために、おうちで時代劇専門チャンネルでご家族の皆さんと見ていただけたらと思います!」とアピールし会場を後にする常盤は、ステージの隙間にヒールがハマってしまい動けなくなるというハプニングもあり、最後まで和やかなムードに包まれた。

【番組情報】

時代劇専門チャンネル「帰郷」
2月8日
土曜 午後9:00~