乗客が開閉「スマートドア」 JR九州、新車両を公開 3月に長崎県内登場

スマートドアの開閉ボタンを押す乗務員。優先席付近のつり手だけ色が違う=長崎市尾上町、JR長崎駅

 JR九州は20日、3月14日のダイヤ改正に合わせて長崎県内で営業運転を始める省エネ新型鉄道車両YC1系を報道各社に公開した。乗客が開閉できるスマートドアを採用し、バリアフリー化も進めた。
 既存のドアは、駅停車中に開いたままだと冷暖房の効果が弱まったり、虫が入ったりする。スマートドアは、車内に青色の開ボタンと黄色の閉ボタンがあり、乗客が目前のドアを操作できる。車外には開ボタンしかない。走行時やホームがない側はロックされる。視聴覚障害者も点灯や音声、点字でボタンの場所や作動状況を把握できる。
 車内に段差はなく、車いす用スペースには通話機能付きSOSボタンや介助者用椅子を設置。ベビーカーでも使える。トイレは引き戸式で開口幅が約1メートルあり、車いすのまま出入り可能。つり手は優先席付近だけオレンジ色にして認識しやすくした。
 YCは「やさしくて力持ち」の意味。ディーゼルエンジンに加え、ブレーキで発生する電力も蓄電池にためて活用する同社初のハイブリッド方式を採用。既存車両より燃料消費量が約2割少ない。
 2両編成で、計8両を導入。老朽化したディーゼル車両が県内に28両あり、JR九州は随時入れ替え、将来的に九州他県にも投入したい考え。

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