感染症の侵入、水際で防げ 横浜港で訓練、新型想定

訓練で、「陰圧バッグ」に入れた患者を搬送する救急隊員=横浜港

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が懸念される中、感染症の国内への侵入を水際で食い止めるための対応訓練が20日、横浜港で行われた。日本に寄港したクルーズ客船に感染が疑われる患者1人が発生したと想定し、行政や医療機関から約100人が参加して対処方法を確認した。

 訓練会場となったレストラン船では、防護服を着用した検疫官らが肺炎症状を起こした患者の検体を採取した後、患者をウイルスのまん延を防ぐビニール製の「陰圧バッグ」に入れて隔離する検疫の措置を行った。その上で、船外への運び出しや救急車での搬送などの連携の手順を確認した。16日に県内で初確認された中国の新型肺炎患者への対応と共通するという。

 厚生労働省横浜検疫所や横浜海上保安部、県警本部、市消防局、市立市民病院などでつくる横浜港保健衛生管理運営協議会が主催し、新型インフルエンザ対策として毎年実施している。

 協議会会長で横浜検疫所の北澤潤所長は「東京五輪・パラリンピックを控え、いざという時のための備えを皆さんと一緒に急いで整えたい」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社