AfterShokzの「骨伝導ヘッドホン」でスポーツをもっと快適に! 耳を塞がない自由な音楽体験ができる2モデルをレビュー

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近年、健康のための運動がブーム。皆さんやその身の回りにも、ランニングやサイクリングを新たに始めたという方は多くいるのではないだろうか。今年2020年は大きなスポーツイベントを迎えるタイミングということもあり、社会全体での運動に対する機運の高まりも伝わってくる。

そんな運動において、音楽は今や切っても切れない存在だ。毎日の習慣としてランニングしながら音楽を愉しむと続ける動機づけにもなるし、音楽の備えるテンポは運動のリズムを決めるペースメーカーとしての役割もある。近年のポータブルオーディオ、ワイヤレスイヤホンの普及は、運動と音楽をより強く結び付けている。

だが、多くの人が音楽を聴きながら運動するようになると、同時に課題も見えてきた。イヤホンで耳を塞いでしまうと、路上や公園でのランニングでは接近する自動車や自転車に気づかなかったり、クラクションやサイレンが聞こえなかったりと、思わぬ危険な目に遭うことも。風の音や鳥の鳴き声といった自然の音も聞こえず、閉塞感も受けてしまいがちだ。

そこで今、注目を集めているのが「骨伝導ヘッドホン」だ。骨伝導ヘッドホンは、音の振動を頭部の骨を介して聴覚神経に伝える構造になっている。鼓膜を通して音を聞く一般的なイヤホンとは仕組みから異なり、耳を塞がないのでスポーツ中でも外の音を遮る事がない。周囲の音を聴けるので安全を確保した上で安心してスポーツと音楽を両立できるし、イヤホンにあった圧迫感や閉塞感もなく、耳をオープンにした環境のまま音楽を聴きながら運動ができるスグレモノなのだ。

頭骨を振動させて音を聴く仕組みの骨伝導ヘッドホンは、耳を塞がないためロードワークなどのスポーツユースに最適。その世界的なリーディングブランドが今回紹介するアメリカのAfterShokzだ

なお、骨伝導ヘッドホンは音を鳴らす構造が一般的なイヤホンとは異なるので専門的な技術が必要となり、発売しているメーカーも限られる。そのなかでも2011年にアメリカで誕生して以来、世界の骨伝導ヘッドホンをリードしてきたブランドが「AfterShokz」だ。

骨伝導技術の改善に焦点を当て開発し、世界各国で300を超える特許技術を取得。音楽リスニングに向けて再生周波数特性を広げるための「Premium Pitch+」テクノロジーや、音漏れを防ぐための「Leak Slayer」テクノロジーなどを開発してきた、テクノロジー志向の強いブランドだ。

外音と音楽を同時に分離して聴けるランニングの相棒「Aeropex」

AfterShokzのラインナップのなかでも最新機種の「Aeropex」は、ワイヤレスイヤホンのようにスマホとBluetoothでペアリングして音楽を流すスタンダードな骨伝導ヘッドホン。特許取得済みの”Premium Pitch2+”のトランスデューサーによる振動から、頬骨を介してサウンドを伝える仕組みだ。

「Aeropex」¥18,180(税抜)。革新的なオープンイヤーデザインと、音漏れが少なくパワフルな低音を実現する「PremiumPitch 2+」を搭載したことが評価され、本機は「VGP 2020」骨伝導ヘッドホン部門において金賞を受賞した

実際にAeropexを装着してみると、ユニットは耳の前の位置にセットされ、バンド部は耳と首の後ろを回る形になる。耳こそ塞がないが、装着感としてはネックバンド型イヤホンに近いかもしれない。本体はシリコン製で質量約26gと軽量。僕が普段かけている眼鏡よりも軽いくらいだ。

首を振ってみても落ちる気配もなく、ランニング中でも安心。ユニットの顔に接触する位置はラフに動かせるし、IP67の防水・防塵対応なので小雨に濡れるくらいや、汗を水で洗い流すくらいなら十分耐えられる頑強さも持つ。装着性、取り扱いとトータルで見て、とても扱いがラクなデバイスなのだ。

耳の前方にある骨を振動させることで音を聴く仕組みを採用。「Aeropex」では振動ユニットが顎骨に対して30度の傾きになるように設計されており、これにより、深みのある低音の再生を可能としながら、振動を抑制。振動を気にすることなく、スポーツに集中できる

水深2mで使えるプレーヤー内蔵の骨伝導ヘッドホン「Xtrainerz」

本機をスマホと接続して音楽を聞いてみよう。まず、完全に耳がオープンなので、外の音も当然そのまま聞こえる。なんとも不思議な体験だが、Aeropexから骨伝導で流れる音楽と、鼓膜を通して聴こえる外の音が同時に分離して聴けるのだ。

気になる音漏れは従来機種「Air」と比べて50%減少されていて、屋外でランニングするシチュエーションなら、余程音量を上げない限り気になる事はないだろう。

肝心のサウンドも、RADWIMPS「グランドエスケープ (Movie edit) feat. 三浦透子」を再生するとピアノの音はしっかりステレオ感が出るし、女性ボーカルも立てて聴かせる。コーラスの自然な音の広がりも再現。KingGnu「白日」の男性ボーカルもクリアで、楽器の音まで帯域バランスは良好だ。

コズミックブラック、ルナグレー、ブルーエクリプス、ソーラーレッドの4カラーバリエーションを揃えている(写真はソーラーレッド)

Aeropexはなんといっても、ワイヤレスであることが魅力。普段スマホで音楽を聴きながらランニングしているなら、Aeropexで決まりだ。

水深2mでも使える“骨伝導デジタルオーディオプレイヤー”「Xtrainerz」

「Xtrainerz」¥17,880(税抜)。「VGP2020」では、骨伝導ヘッドホンにプレーヤーを搭載し、本体だけで音楽を楽しめる画期的なリスニングスタイルを提案したことが評価され、ポータブルミュージックプレーヤー(2万円未満)部門において受賞を果たしたモデルだ

AfterShokzの骨伝導ヘッドホンのなかでも、用途特化型のラインナップなのが「Xtrainerz」だ。

一見するとAeropexに似たネックバンド型イヤホン風だが、4GBのストレージおよびオーディオプレーヤー機能を搭載した“骨伝導デジタルオーディオプレイヤー”だ。ワイヤレス機能や外部入力は搭載していないので、スマホなどと組み合わせる製品ではない。

本機の内蔵ストレージに楽曲を転送しておけばランニングはもちろん、IP68防水の密閉構造により、なんと水深2mの環境下で2時間まで使える驚きの性能を備えている。水は電波を遮るのでワイヤレス接続は利用できないが、通信を必要としない骨伝導のデジタルオーディオプレイヤーなら大丈夫……と考えると、実に理に適った製品なのだ。

水深2mの環境下で使用可能なため、スイムのお供にピッタリ。付属の水泳用イヤープラグで耳に水が入るのを防ぐことも可能だ。カラーは写真のサファイアブルーに加え、ブラックダイヤモンドの2色から選ぶことができる

楽曲の転送は、PCと接続してファイルやフォルダをドラッグ&ドロップするだけ。MP3/WAV/AAC/WMA/FLACのファイルに対応するが、ハイレゾ音源には対応しておらず、再生時にはスキップされるようだ。

本体には4GBのストレージ容量があり、最大で約1,200曲を保存しておくことができる。音楽データの取り込みは、付属のUSBクレードルに本体のコントローラー部をはめてPCとUSB接続し、楽曲ファイルやフォルダをドラッグ&ドロップするだけ

マルチファンクションボタンで再生/停止、音量+/-ボタンを長押しすれば曲送り/曲戻しができ、操作はシンプル。装着時の音声ガイダンスは日本語で、細部までよく作り込まれている所もポイントだ。

実際にXtrainerzを装着して水中で音楽を聴いてみると、正直にいって予想以上のサウンドで驚いた。音質も陸上で聴くサウンドに近く、歌声もクリアで、低音もズンとした振動で再現する。

スマホと接続しなくても単体で音楽を楽しめるXtrainerzは、「スマホと一緒に持ち歩くのは嫌」といったアクティブな方にぴったり。ワイヤレスヘッドホンにありがちな音切れの心配もなく、スマホから自由に音楽を楽しめる。シンプルだが使い勝手のよい機種で、水泳はもちろん、ランニングにもおすすめだ。

(折原一也)

本記事は「プレミアムヘッドホンガイド vol.23 2019冬版」掲載の記事をベースに加筆したものです。プレミアムヘッドホンガイドは2019年12月23日よりヨドバシカメラ、ビックカメラ、エディオンなどの家電量販店ならびにフジヤエービック、e☆イヤホンなどの専門店などを中心に無料配布中。ぜひお手にとってご覧ください!

(協力:フォーカルポイント)