特殊詐欺、県内被害2億円超

19年・過去2番目に多く、留守電効果でアポ電は激減

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 昨年の特殊詐欺(うそ電話詐欺)の被害額が2億2879万円に上り、統計開始以降で2番目に多かったことが、県警のまとめで分かった。被害件数は41件で過去3番目に少ないが1件当たりの被害額は拡大している。一方、被害が目立つ高齢者世帯などに県警が呼び掛けている固定電話への留守番電話設定率は着実に増加。詐欺事件の“入り口”となる「アポ電」認知件数が大幅に減少するなど、水際防止策の効果が表れ始めている。

 県警生活安全企画課によると、昨年の高齢者被害は41件のうち28件(前年比4件増)で、被害額は1億9851万円(同1億4138万円増)だった。全体の被害件数は前年の46件から5件減ったが、高齢者が狙われたケースは件数、被害額とも増えている。被害に発展した連絡手段は固定電話が半数以上の21件で、対策が急務となっている。

 県警はお年寄りを犯行グループから守るため、高齢世帯に対する巡回連絡時、留守番電話に常時設定するように要請している。設定率が約50%となった8月以降は全体の被害件数が14件で、1~7月の27件から減少した。高齢者が被害に遭ったケースに限っても1~7月は19件だったが、8月以降は9件に半減し、一定の効果が見られた。

 高齢世帯の留守番電話設定率は12月末までに65%(13万8756世帯)に達しており、固定電話に起因する詐欺被害、家族構成や資産状況などを聞き出そうとする前兆電話「アポ電」の減少につながっている。アポ電の認知件数は4月の180件をピークとし、9~12月は5~19件で推移するなど留守電設定率の上昇とともに激減している。

 アポ電発生状況などをリアルタイムでメール配信する県警のサービス「やまがた110ネットワーク」の登録数は、昨年1年間で一気に3万1450件増加し4万7146件となった。「メールを事前に見ていたことで、慌てずにアポ電に対処できた」との声も寄せられており、県警は今後も登録を推奨していく。

 同課は、常時留守電設定と110ネットワーク登録が特殊詐欺対策の両輪だと強調した上で、「電話に出たら犯人の思うつぼ。あらゆる手段でだまそうとしてくる」と改めて警鐘を鳴らす。留守電設定率をさらに高めることで、「犯行グループに『山形県は留守電に設定している世帯が多いからだましづらい』というイメージを植え付けたい」としている。