球磨工高生が180年ぶりにほこら再建 芦北町告地区の住民から依頼

ほこらを再建した球磨工高の生徒と地域住民=芦北町

 宮大工を養成する球磨工高(人吉市)伝統建築専攻科2年の生徒8人が、老朽化していた芦北町告地区のほこらを約180年ぶりに再建した。16日は上棟式があり、地域住民らと祝った。

 ほこらは山の神と荒神、阿蘇神社を祭っており、1840年ごろ建てられたと伝わる。毎年12月には祭りが開かれるほか、初詣など住民が集まる場として親しまれてきた。10年ほど前から傾き始めたため、元区長の菊井和敏さん(71)の母校でもある同校に再建を依頼した。

 同校は昨年4月から準備を進め、高さ約3・6メートルの木造のほこらを建築。格式が高いとされる寄棟造[よせむねづくり]の屋根で、板良敷朝和[いたらしきともかず]さん(20)は「寸法を合わせることに集中した。立派なほこらを作ることができてよかった」と笑顔で話した。今後、職人が屋根の板金工事を施し、2月に完成する予定。

 菊井さんは「再建できて本当にうれしい。この地区も人口減少が進んでいるが、受け継がれてきた祭りを続けられるよう大事にしていきたい」と話した。(澤本麻里子)

熊本日日新聞 2020年1月18日掲載

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