三頭体制の一角、F1商業担当取締役のブラッチスが退任「この3年間は私にとって素晴らしい道のりだった」

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 すでに広く予想されていたことだが、F1の商業担当取締役であるショーン・ブラッチスが1月31日をもって退任することが決まった。今後は拠点であるアメリカに戻り、顧問としてF1に関わっていく。

 ブラッチス退任のうわさは昨年9月から流れていた。以前はESPNの幹部を務めていたブラッチスは、アメリカに家族を残してイギリスのF1本部に駐在し、絶え間なく出張を繰り返す生活をなんとか変えたいと考えていたのだという。

 2016年末にF1を買収して商業権保有者となったリバティ・メディアは、F1に三頭経営体制を導入した。ブラッチスは、CEOのチェイス・キャリー、モータースポーツ担当マネージングディレクターのロス・ブラウンとともに、これまでその一角を担ってきた。

 商業面におけるブラッチスの指揮下で、F1は新たに複数のテレビ放送契約を締結したほか、自前のインターネット・ストリーミングサービスを立ち上げ、ソーシャルメディアのF1チャンネルも着実に成長させてきた。

 ブラッチスはまた、世界各地でいくつかのファンフェスティバルを開催して、F1を多くの人に直接届け、またその範囲を拡大させた。

 彼はF1のカレンダーにも手を付けた。ベトナムGPとオランダGPの2レースを新たに組み入れ、2020年の開催数を計22レースに増やしている。

 ブラッチスが率いたチームはそのまま残り、今後はCEOのチェイス・キャリーに直接レポートすることになるが、より長期的な観点でリバティ・メディアが新しい商業担当のトップを指名するかどうか、現時点では不透明だ。

「F1で過ごした3年間は私にとって素晴らしい道のりだった。存分に楽しむことができた」と、59歳のブラッチスは語った。

「F1でともに仕事をしたチームに、個人的にお礼を言いたい。彼らは多大な努力と献身をみせてくれたベスト・オブ・ベストだ。彼らがこれからもファンのために働き、我々がつくった戦略を何年にもわたって展開してくれると確信している」

「2017年にF1に加わったときよりも良いポジションで退任できることを誇りに思う。我々がチームとして築いた仕事の礎は、世界中のファンのために役立ち、さらに新しいオーディエンスにも広がっていくことだろう」

 キャリーは、F1で商業領域に特化した新部門を立ち上げたブラッチスの指導力をたたえた。元F1最高権威者のバーニー・エクレストンが統治していたときには存在していなかった組織だ。

「F1のスタッフ全員を代表して、過去3年間にわたり指導力、情熱そして専門性を発揮してくれたショーンに感謝を表明したい」とキャリーは述べた。

「ショーンは、F1における商業の側面を変革してくれた。彼の成果は、我々の事業が勢いを持ち、成長していることで実証されている」

「ショーンが今後も顧問としてアメリカからF1に関わり続けてくれることを喜んでいる。彼はこれからもずっとF1ファミリーの一員だ。彼が与えてくれるであろうアドバイスや意見に期待している」

「彼の新たな取り組みが実を結ぶことを心から願っている」

2019年F1アブダビGP、ポールポジション獲得のシャルル・ルクレール、F1の商業担当取締役のショーン・ブラッチス