城之内早苗 当選者限定のプレミアムライブを開催 新曲『恋衣』のほか、アンケートによって選ばれたアノ曲も披露

今年、芸能生活35周年を迎える城之内早苗が、1月18日、東京・八重洲HIT STUDIO TOKYOにおいて、〈城之内早苗プレミアムライブ〉を開催した。

集まったのは、昨年リリースした32枚目のシングル『恋待ち夜雨』と、14枚目のアルバム『早苗歌』の購入者の中から抽選により選ばれた50組100名。小雪が舞い、今季一番の寒さだったにもかかわらず、開演時間のだいぶ前からファンらが集い、会場は期待いっぱいの熱気に包まれた。

ライブは、1986年、演歌史上初めてオリコン総合シングルチャートで初登場1位を獲得したデビュー曲『あじさい橋』の令和バージョンの歌唱で開幕。マイクのスイッチを入れ忘れ、歌い出しの声が出ないというアクシデントがあったものの、歌唱後、「ゴメン、マイク入れるの忘れちゃった。カッコよく登場して、気取って歌い出したかったんですけど、最初からやってしまいました」と愛嬌たっぷり、気取らぬ笑顔で観客に語りかけ、開場をほっこり、温かい空気に包み込んだ。

2曲目に披露したのは、2018年にリリースした徳間ジャパン移籍第一弾のシングル『よりそい蛍』。次いで、アルバム『早苗歌』に収録された『夏泊恋歌』『小樽秋冬』『北の旅人』『冬隣』の4曲を歌唱したのだが、『夏泊恋歌』以外は、NHK-BS『日本のうた』等で活躍中の菅谷雅之のアコースティックギターを伴奏に、ライブ初の試みのアコースティックバージョンで披露。「プレミアムライブということで何かいつもと違うことができたらと」と今回のライブに込めた熱い思いを語った。

『小樽秋冬』は鳥羽一郎の長男でシンガーソングライターの木村竜蔵作曲のオリジナル。小樽を舞台にした温かく優しい歌で、「寝る前に聞くと穏やかになっていただけるような癒しソング」と紹介。鳥羽一郎から「早苗には合っているよと言われた」というエピソードも明かした。
『北の旅人』は石原裕次郎の、『冬隣』はちあきなおみのカバー。『北の旅人』は、カラオケで必ず歌う曲で、城之内のたっての希望でアルバムに収録。ちあきなおみの『冬隣』のカバーは難しい曲で「自分でも冒険だった」と紹介した。

ライブ中盤、7曲目と8曲目は、「あの歌聞かせてよ~早苗ちゃん、リクエストコーナー」と題し、これまでリリースした城之内の楽曲の中から、観客のアンケートにより決まった1位と2位を披露。どの楽曲が選ばれたか事前に聞かされていなかった城之内は、「いい曲がいっぱいあるから、みんながどんな曲に思いがあるのか気になる~!」と興奮気味。

第2位が2015年発売の『空港物語』と発表されたときは、「えーーーー!? 売れなかったのになんで? 意外だわー」と絶叫しつつも、当時と同じ振りで、熱唱し、ファンを魅了した。さらに司会者から「第1位はCBSソニー時代の楽曲」と発表されると観客からは期待を込めた「おーーー!」の歓声が。

城之内自身は「全然、見当つかない」と悩みつつも、1986年リリースのセカンドシングル『流氷』と聞き、満面の笑みで歌唱。歌った後は、「デビュー当時は新鮮さ、不安定さ満載でしたが、34年経って、それなりに上手にはなっていますか?」と観客に問いかけ、大きな拍手を浴びた。

ライブというと、新曲や最新アルバムの中の楽曲を歌うことがほとんどという中、「リクエストコーナー」も、プレミアムライブならではのいつもと違う試みで、観客に楽しんでもらいたいという城之内の願いから実現。ファンから選ばれた楽曲を歌い、「すごく幸せです」と今の思いを伝えるとともに、「35年間歌い続けてきて、皆さまが応援してくれたおかげでシングル曲も増え、ここまでこれた」と感謝の気持ちを語った。

昨年リリースした徳間ジャパン移籍第2弾シングル『恋待ち夜歌』を9曲目に披露した後は、ライブのフィナーレ。1月29日リリースの新曲で、35周年記念曲の両A面シングル『恋衣』『あなたで良かった』を、ファンを前に初歌唱。

歌唱前、壇上にはサプライズで『恋衣』の作詞家・石原信一氏が花束を抱えて登場。城之内の黒が基調、赤のラインがポイントのこの日の着物が、『恋衣』で歌われる曼殊沙華(マンジュシャゲ)をイメージしたデザインであることが明かされ、さらに、石原氏は「これまでの日本女性の楚々としたイメージをぶち破って、もっと城之内見せてよという思いで作った」と裏話を披露。「ガツンという曲を書きました。ガツンと歌って、最後の1行は城之内さんでなければ歌えない」とエールを送った。

さらに、両曲の作曲を担当した円広志氏からのビデオメッセージも上映。『恋心』は女性の情念の激しさを、『あなたで良かった』は一転、しっとりしたアレンジを念頭に作ったと制作秘話を披露してくれた。
さらに、城之内は「『恋衣』は、子供の頃から大ファンで、今も一番の憧れの存在である森昌子さんの『越冬つばめ』を作られた円広志さんと石原信一先生のコンビによる新曲で、念願が叶いました。歌い続けてきて本当に良かった」と喜びを語り、「今年はこの曲で精いっぱい頑張ってまいります」と目を輝かせた。

ライブ終了後、ファンとの写真撮影にも応えた城之内。「皆様に聞いていただいて、幸せだなとかみしめながら歌わせていただき、温かい時間を過ごさせていただきました」と再度、ファンへの感謝を語った。

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