神奈川県は21日、県立障害者施設「愛名やまゆり園」(厚木市)で入所者に対する職員の虐待行為が確認されたと明らかにした。風呂で水をかけるなど複数のケースがあったとし、黒岩祐治知事は定例会見で「県立施設での事案で心からおわび申し上げる」と陳謝した。
県によると、風呂でのケースのほか、▽食事制限があるにもかかわらず大量に食事を取らせる▽箸1本で食べさせる▽トイレに1~3時間座らせる─などの行為があった。時期や詳細は確認中とし、指定管理者として運営する社会福祉法人「かながわ共同会」に報告を求めるとともに改善を指導するとしている。
昨年7月に匿名の手紙が県に届き同園に調査を指示、同8月に共同会側が市に通報した。市は虐待認定し今月20日、県に報告した。
知事は津久井やまゆり園事件の裁判を機に「共同会に関する良くない情報が出てくる」と主張しており、今回の虐待案件はその一部との認識を示した。