世界の強豪が激突 東京五輪卓球団体戦への切符をかけた戦いが開幕

写真:2019グランドファイナルの鄭栄植/提供:ittfworld

<2020東京五輪団体戦予選 2020年1月22日~26日>

2019年を締めくくったワールドツアーグラントファイナルから約1ヶ月。今シーズン最初のITTF(国際卓球連盟)主催の大会となる、東京五輪団体戦予選(以下、五輪予選)が22日からポルトガルで開幕する。

五輪ホスト国の日本、既に出場資格を得ている中国やドイツなどは今大会には参加しないが、韓国、スウェーデン、チャイニーズタイペイ、イングランドといった、世界の強豪国は軒並みエントリーしている。本戦への出場枠はわずか9。今回は、そんな五輪予選の見どころを男女共に紹介する。

男子見どころ

男子は34ヵ国がエントリー。その中でも注目の国は第1シードの韓国だ。

写真:2019チームワールドカップの鄭栄植(写真右)と李尚洙(写真左)/提供:ittfworld

昨年11月に東京で行われたチームワールドカップでは準優勝。決勝の中国戦では、鄭栄植(チョンヨンシク)/李尚洙(イサンス)ペアが梁靖崑(リャンジンクン)/許昕(シュシン)ペアに勝利し、同大会で王者中国から唯一1本取った国として、世界を驚かせた。

今大会の男子韓国代表メンバーは、鄭栄植、李尚洙、張禹珍(ジャンウジン)、林鐘勲(イムジョンフン)、安宰賢(アンジェヒョン)の5人。チームワールドカップ時のメンバーから趙大成(チョデソン)を外して、2019年世界選手権シングルス3位の安宰賢を加えたチームとなっている。

経験豊富な4選手に、若手有望株の安宰賢を融合させた今大会の男子韓国代表。どんなオーダーで挑むのか、非常に楽しみなチームである。

写真:2019男子ワールドカップの林昀儒/提供:ittfworld

世界ランキング6位(2020年1月現在)の林昀儒(リンインジュ)率いるチャイニーズタイペイも注目だ。林昀儒は昨シーズン、T2ダイヤモンドマレーシア大会優勝チェコオープン優勝と、弱冠17歳にして世界トップ選手の仲間入りを果たした。まさに、今乗りに乗っている選手だ。

また、一時期代表チームからの引退を発表していた荘智淵(チュアンチーユアン)が復帰したこともチームにとっては追い風だ。Tリーグ・琉球アスティーダでも活躍する大ベテランは、団体戦で需要な存在となるだろう。

写真:2019グランドファイナルのマティアス・ファルク/提供:ittfworld

他にも、2019年世界選手権シングルス準優勝のマティアス・ファルク率いるスウェーデンや、サイチヤン・ガナナセカラン、カマル・アチャンタら世界ランキング30位代の選手が主力のインド、2019年チームワールドカップ予選で日本を倒したイングランドなど、実力と実績を備えた国が五輪出場枠をかけて火花を散らす。

激戦が予想される男子予選。東京五輪出枠を勝ち取るのはどの国になるのか。

女子見どころ

女子は30ヵ国がエントリー。注目はやはり男子と同じく韓国だ。

写真:2019チームワールドカップの崔孝珠/提供:ittfworld

女子韓国代表のメンバーには、徐孝元(ソヒョウォン)、リー・ジオン、崔孝珠(チェヒョジョ)、梁夏銀(ヤンハウン)、申裕斌(シェンユービン)と、チームワールドカップから田志希(チョンジヒ)を入れ替えてリー・ジオンを登録している。

徐孝元、梁夏銀といった経験豊富なベテラン陣に、中堅のリー・ジオン、注目の若手の崔孝珠、申裕斌と、非常にバランスの取れた構成になっている今回の女子韓国代表。ベスト4に輝いたチームワールドカップのメンバーが4人残っているというのは、チームの経験値という面でも頼もしい。

写真:2019スウェーデンOPの徐孝元/提供:ittfworld

また、徐孝元はオーストリアオープンベスト16、崔孝珠も予選から勝ち上がってオーストリアオープン本戦に出場と、個々の選手も国際舞台で好成績を残している点もチームにプラスとなる。誰を試合に出してもおかしくない、女子韓国代表は、五輪出場枠を勝ち取ることができるか。

写真:2019グランドファイナルの鄭怡静/提供:ittfworld

他にも、世界ランキング10位(2020年1月現在)の鄭怡静(チェンイーチン)と陳思羽(チェンズーユ)率いるチャイニーズタイペイや、エリザベタ・サマラ、ベルナデッタ・スッチ、ドデアン・モンテイロと、ヨーロッパトップの選手を揃えるルーマニア、第1シードの中国香港などは確実に上位に食い込んでくるであろう。

ハイレベルな試合が予想される女子予選。東京五輪で金メダルを目指す日本代表のライバルとなるのは、果たしてどの国か。

文:ラリーズ編集部

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