「おいしい果物もう一度」 須賀川の農家、台風被災の果樹剪定

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台風被害を受けた果樹畑で剪定作業を進める有我さん親子=須賀川市浜尾

 台風19号で浸水被害に遭った福島県須賀川市浜尾地区の果樹畑で、生産農家が復興に向けて奮闘している。果樹の生育を調整するため枝を切り取る剪定(せんてい)作業が行われており、果樹農家の有我忠男さん(55)と息子の龍太郎さん(26)は今月から作業を始め、花芽や枝ぶりを確認しながら丁寧に枝を切り落としていた。

 阿武隈川沿いに広がる果樹畑には、堤防の決壊で濁流が流れ込み大きな被害を受けた。台風の爪痕は今も残る。濁流に漬かった果実が枝に付いたままの畑もある。有我さんのモモやリンゴの畑も水没、収穫前のリンゴが泥水に漬かった。「泥をかぶったことで売り物にならなかった」

 有我さんは自宅も浸水したため、避難先としている仮住まいのアパートから通いながら作業を続ける。「お客さんが食べておいしい果物を追求してきた。何もしないわけにはいかない。お客さんにもう一度、おいしい果物を届けたい」。収穫を目指し、これから樹皮や花芽の洗浄など地道な作業が続く。

 須賀川市によると、市内の農業被害の総額は昨年12月20日現在で21億9711万8千円。農道や水路など農業用施設の損壊箇所は714カ所で林道の被害は18路線、果樹やコメ、野菜などの農作物被害は210.47ヘクタールに及ぶ。