平和願う心 聖歌を通じ交流 韓国の合唱団、南山小コーラス部共演 美しいハーモニーで魅了

「故郷」を合唱するムジカサクラソウル合唱団と長崎南山小コーラス部=長崎市、カトリック浦上教会

 平和を願う聖歌などを通じ日韓の絆を強めようと、韓国のムジカサクラソウル合唱団(キム・ジョンユン・マリア団長)が20日夜、長崎市本尾町のカトリック浦上教会で初の長崎公演を開いた。長崎南山小コーラス部が友情出演。美しいハーモニーが聴衆約300人を魅了した。
 同合唱団は1984年に旗揚げ。カトリック宗教音楽を専門とした混声合唱団として韓国内の神学校で巡回公演を開くなど、精力的に活動している。同小コーラス部は94年創部。昨年8月、オペラ「忘れられた少年」に出演。同11月、ローマ教皇の来崎時に県営ビッグNスタジアムで開かれたミサで子ども聖歌隊として参加するなど、宗教音楽への取り組みが熱心なことから今回の共演が実現した。
 20日の公演で、同合唱団指導司祭のリー・サン・チョル・アンドレア神父は「歌を通じて神様の恩恵を心に刻んでほしい」とあいさつ。団員27人が聖歌「アベ・マリア」や「長崎の鐘」など約10曲を豊かな声量で披露。同小コーラス部は1~6年の30人が教皇来崎時のミサで歌った「きみの笑顔・地球家族」や黒人霊歌「アメイジング・グレイス」など5曲を澄んだ歌声で聴かせた。最後は出演者全員で唱歌「故郷(ふるさと)」を合唱。会場から大きな拍手が送られた。
 鑑賞した長崎市小峰町の宮崎信行さん(79)は「政治的に両国関係がこじれていても民間の付き合いは別。こうした交流を続けて互いを認め合うことが大切」と話した。

© 株式会社長崎新聞社