【特別レポート】アニメ『BEASTARS』の声(=命)が吹き込まれる現場の圧倒的熱量!レゴシ役・小林親弘のインタビューも

©株式会社リライアブルピーアール

数々の賞を総なめにしてきた漫画『BEASTARS』は、主人公であるハイイロオオカミのレゴシ、ドワーフウサギのハルやアカシカのルイをはじめとする、個性的ながらも人間味あふれるキャラクター達が登場。

学園で起きた生徒が食い殺される”食殺事件”をきっかけに、色濃く絡み合う・・・

無口で心優しいレゴシの穏やかで静かな生活が、ウサギのハルと出会い、彼女に抱いた初めての感情で大きく変化していく。

それは恋なのか?はたまた食欲か?

食肉が重罪とされる世界で、名門校・チェリートン学園を舞台に、肉食獣と草食獣の共存を描く

2019年10月よりスタートしたTVアニメ版の『BEASTARS』は本誌同様人気を博し、日本のみならず世界中にファンを獲得。そして、皆が待ち望んだ第2期の制作も発表された。

YESNEWSでは、アニメ『BEASTARS』第2期の2019年最後のプレスコ収録現場に潜入し、最前線の様子をレポート!

収録後には主人公のレゴシを演じている小林親弘にもインタビュー!本作に関することを聞いた。


まず最初に、アニメ『BEASTARS』プレスコアリング(通称”プレスコ”)という手法で収録されていることを説明する必要がある。

これは海外が主流の手法で、画が完成する前に先にキャラクター達のセリフを収録、その声に合わせてアニメーション制作を進めていくというものだ。

従来のアフターレコーディング(通称”アフレコ”)では、映像やセリフの尺なども決まっており、声優はその限られた時間の中で演技しなければならず、アドリブの幅も狭まってしまう

その点、色々と手間がかかってしまいO.Aまで期間を要するものの、声優に自由度が増して演技に幅を持たせる事が出来るのがプレスコの特徴だ。

――都内某所。レコーディングブースではすでに年内最後の収録が行われており、筆者もそっと入室。

室内には、5本のガンマイクと音を360度集音できるマイク付きレコーダー(録音機)が設置されており、小林親弘(レゴシ役)小野友樹(ルイ役)らが監督と話し合いを重ねながら、代わる代わる声という命を吹き込んでゆく。

収録中スタジオの中を歩き回ったり(時には走ったり)、場合によっては喋りながらスタジオから出たりと、他ではNGな事もやっていたりするという。

それぞれのキャラクター達の心情に寄り添い、1つ1つのセリフに丁寧に向き合う姿は感動すら覚えてしまった。

緊迫したシリアスな場面ではピリッとした雰囲気に包まれ、一方で街の雑踏シーンの収録では皆が和気あいあいとそれぞれの声を放つ。
(・・・街中のガヤガヤと賑わったシーンの声は、その日収録する声優が全員参加しているということに驚いた。)

キャスト、監督、スタッフ・・・その熱量に圧倒され、本当に命が吹き込まれているのだと肌で感じることが出来た。

左がレゴシ専用マイク。このスタジオで50年間も使用されているというから驚き!
中央の『RCA』の左に㋹と書かれているのが、専用マイクの証

ちなみに、モノローグ用の別室(キャラクターの心の声などを収録する。モノローグはより残響が少ないナレーションブースで収録している。)には2本のリボンマイクが設置されているのだが、写真左のマイクはレゴシ専用で、その他のキャラクターは右のマイクと、それぞれ使い分けているそうだ。

一見同じように見えるマイクでも、微妙な違いがあるという。そんな些細な違いに、彼ら声の職人のこだわりが見え隠れした。

収録が無事に終了し、主人公・レゴシを演じる小林親弘にインタビューさせてもらった。直後にも関わらず、疲れた様子も見せず笑顔で答えてくれる彼の人柄に感謝したい。

―今回、レゴシ役を演じる上で大切にしていることはありますか?

レゴシというキャラクターというよりも、レゴシが本当に存在するかのように伝えるにはどうしたらいいか?ということ常に考えています。

レゴシは色々な動物たちと出会うことで、自分自身を知っていくんですが、12話の中でどう変わっていくのか・・・その変化の表現にも気を付けました。

―レゴシが未成年ということもあり、思春期ならではの心情の変化を意識されたということですか?

それもあります。

でもそれを演じて表現していくというよりも、共演者の人たちと一緒に作り上げていくというか・・・意図して演じ分けをしていた感じではなかったですね。

今日の収録でもそれを凄く感じました。

―収録を見学させていただいてて一番感じたのは、皆さんが”ワンチーム”という言葉ピッタリで、それぞれを信頼し合っているんだなと感激しました。

ワンチーム!たしかに。

そう感じていただけたのは嬉しいです、僕たちもやりながら毎回感激していますので(笑)

―『BEASTARS』は動物たちが人間のように生活している独特の世界ですが、もし小林さんがこの世界の住人になるとしたら、どんな動物が良いですか?

んー、ロマンといいますか、飛んでみたいなーと。なので、鳥類ですね(笑)

―なるほど・・・草食か肉食という点ではどうでしょう?

あんまりこだわりがないかもしれません、どっちに転んでもそれぞれの辛さがあるのかなと(笑)

草食には”もしかしたら食べられるかもしれない”という恐怖があるだろうし、肉食には我慢しなければならない辛さがあったり。

―たしかに、それぞれに葛藤はありますね。

あ、鳥類ともう1つありました。

まだアニメには出てきていないですが、海洋生物も良いですね。

海の生き物が登場するのはもう少し先の話なので、アニメが第3期まで続けばの話ではありますが、これはご期待ください!・・・って僕が言ってもなんですが(笑)

―YESNEWSでは、最近ハッピーな気持ちになった出来事を皆さんに聞いています。何かありますか?

先日、中国・成都で開催されたBILIBILI WORLDに『BEASTARS』声優としてゲスト出演してきたんですが、現地の方のほとんどが『BEASTARS』のことを知ってくれていて。

国を越えて色んな人達に喜んでもらえるんだとしみじみ思いました。

しかも、吹き替えではなく、字幕で観てくれているみたいで。

我々の声で心が動かされていると聞いて、こちらまで幸せな気持ちになりました!本当に有難いことですね。

―最後に、アニメ『BEASTARS』第2期への意気込みをお聞かせください。

新しい登場人物が登場するのもありますが、第2期ではいよいよ”食殺事件”の被害者・テムのことを中心に物語が進んでいきます。

僕らも魂を込めて作っていますので、楽しみに待っていただけると嬉しいです!

―ありがとうございました!


何気なく見ていたシーンが、何気なく聞いていたセリフが・・・その全ての裏側では、渾身の想いが込められているということ、恥ずかしながらも気づかれた。

このことを忘れることなく、第2期の放送を楽しみに待つことにしよう!

まだ観ていない人はぜひご覧になってみてほしい、きっと心揺さぶられるに違いない。

作品の詳細については、公式HPを確認下さい。

©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会