ロッキーズ・アレナード 補強に消極的なチームへの不満が爆発か

ロッキーズが誇るスター三塁手、ノーラン・アレナードは日本時間1月21日にチームへの不満を爆発させ、「チームからリスペクトされていないと感じる。このチームの一員でいたくない」といった趣旨の発言をした。この発言は、アレナードを放出する可能性を否定したジェフ・ブライディッチGMのコメントに反発する形でなされたものだが、どうやらアレナードは71勝91敗という不本意なシーズンを送ったにもかかわらず、戦力アップのための補強を行わないチームに対して大きな不満を持っているようだ。

ロッキーズは2017年から球団史上初となる2年連続ポストシーズン進出を成し遂げ、アレナードは昨年2月に8年2億6000万ドルという巨額の契約延長にサインした。しかし、昨季のロッキーズは71勝91敗で地区4位に低迷。投手陣が崩壊し、主力野手のなかにも故障や不振などで本来の実力を発揮できない選手が多々見られた。

投打の主力選手が実力を発揮できれば、昨季のように低迷することはないと見られるロッキーズだが、同地区には絶対王者のドジャースが君臨しており、ダイヤモンドバックスやパドレスも積極的な補強を行っている。一方、補強資金に余裕のない今オフのロッキーズは、フリーエージェント選手とのメジャー契約を1つも締結しておらず、トレードで有力選手を獲得するような動きも見せていない。そうした状況にアレナードは不満を持っているようだ。

ブライディッチはイアン・デズモンドを5年7000万ドル、ダニエル・マーフィーを2年2400万ドルで獲得したが、両者とも期待通りの働きを見せることはできていない。ウェイド・デービス、ブライアン・ショウ、ジェイク・マギーの救援投手トリオに総額1億600万ドルを投じたが、こちらも投資に見合う成果は得られていない。大型補強失敗による低迷がアレナードの不満を生み、資金に余裕がないため追加の補強もできないという悪循環に陥ってしまっているというわけだ。

アレナード放出の可能性を否定したブライディッチだが、今回の騒動を受けてその方針が変化する可能性もある。MLB公式サイトのジョン・ポール・モロシは、カージナルスやレンジャーズとのトレード交渉が活発化し始める可能性を指摘しており、今後の動向には大きな注目が集まりそうだ。

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