大分トリニータ 攻撃の軸となる前線への大いなる期待

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 大分トリニータが順調に調整を進めている。今季初の対外試合となったJFLのテゲバジャーロ宮崎戦は、30分×3本の形式で行い4-1の勝利を収めた。1本目は0-0だったが2本目のMF町田也真人の先制点を皮切りに、MF高山薫、MF小塚和季、FW高沢優也が得点した。

 今季の最重要ポイントに挙げるのが攻撃力アップ。創造性豊かな新戦力に加え、昨季の主力選手がそれぞれの感性と持ち味を発揮できるかどうかに、チームの躍進がかかっているといっても過言ではない。昨季と同じ3-4-2-1のシステムで戦うなら、現時点で軸となるのが前線の3人だろう。ゴール前に人数をかけて守ることができた昨季の後半戦は、攻撃が停滞した。密集したエリアを絶妙なコンビネーションで崩す術が必要だ。

 11日の始動から崩しのイメージを共有する練習が続き、ボール回しやシュート練習では、ひとつのトラップやキックからお互いに意識し合う様子が垣間見えた。高い技術とアイデアあふれるプレーで攻撃の柱となった小塚は、「それぞれ持ち味が異なる個性を持った選手が入ってきた」とライバルたちに刺激を受けている。対外試合では、MF野村直輝や町田らが高い戦術眼を見せ、すんなりとチームになじんでいた。

今季のチーム初ゴールを決めた町田也真人

 連日の2部練習で疲労が抜けきれず動きは重かったが、野村は「チームとしてのやり方は(前所属の)徳島と似ている。決まり事を意識するあまり効果的なパス回しができなかったが、前線の3人で崩せる場面はあった。自分は周りに合わせるプレーができるので、味方のクセや特徴をつかんで自分のアイデアをミックスしたい」と手応えを感じたようだ。

 片野坂知宏監督は、「選手はイメージを持ってプレーしている。思っていた以上に体が動いていたし、戦術の浸透は早いと思う」と、まずは自らの哲学である攻撃的サッカーを落とし込む。テクニックがあり、イマジネーションあふれる選手は指揮官の好むところ。「(攻撃の)バリエーションを増やせる選手が増えた」と話す。

 前線に比べて層の薄い最終ラインだが、DF鈴木義宜、DF岩田智輝、DF三竿雄斗の不動の3人が安定感あるプレーを見せ、彼らを軸に新加入選手を組み合わせながら底上げを図っている。現時点では攻守共に片野坂監督の目指すサッカーを知る既存組に一日の長があるが、片野坂監督は「ウチのプレースタイルに合う選手をクラブと話し合って獲得したので問題ない」と新戦力の突き上げを楽しみにしている様子。25日から始まる鹿児島でのトレーニングキャンプまでに下地づくりをして、試合を重ねながら戦術を深堀りしていく。

2年連続キャプテンを務める鈴木義宜

(柚野真也)