「今すぐに」と繰り返したグレタさん 2年にわたるダボス会議での主張

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スイス東部ダボスで1月21日、世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」が開かれた。世界の財政界のリーダーらが集まった。

第50回目となる今回、昨年に引き続き環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん(17)が登壇した。

World Economic Forum / Via youtube.com

2019年のスピーチから、引き続き強調されていることは?

2019年は「私たちの家は燃えている」という一言から始め、スピーチは、財政界の指導者たちに「うろたえてほしい。私が毎日感じている恐怖を感じてほしい。そして行動に移してほしい」と締め括ったグレタさん。

今年のスピーチは、前回のスピーチを引用した皮肉を冒頭に込めた。

「『気候危機についてうろたえろ』と人々に言うのはとても危険なことだ、と警告されました。でも心配しないでください。大丈夫です。私がやってみたところ、なんの結果も生みませんでした」

去年に引き続き、温室効果ガスの排出を「削減する」だけでは不十分だと各国のリーダーに強く訴えた。

「はっきりさせておきましょう。私たちに必要なのは『低炭素社会』ではありません。私たちは、『二酸化炭素の排出量を削減する』必要はありません。温暖化を1.5度以下に抑制するためには、排出を止めなければいけないのです」

「『ネット・ゼロ』については忘れてください。必要なのは『リアル・ゼロ』です」

エネルギーを自給自足でまかない、生産量と消費量を当分にする「ネット・ゼロ」方針は、二酸化炭素の排出量についての問題を「無視している」と批判。本当の「ゼロ」、そもそも排出をしないことを念頭に置かなければいけないと呼び掛けた。

「パリ協定で設定された『2度目標』(世界全体の平均気温の上昇を、工業化以前より2℃高い水準を十分に下回るものに抑える)と『1.5度への追求』(2度目標を見据えて、1.5度は達成できるよう努力を継続する)を達成するために、根本的な排出削減を含まない今の計画や政策では完全に不十分です」

再び使われた「空っぽなことば」

もう一点強調されていたのは、「問題を直視しない大人たち」への怒りだ。

スピーチ冒頭の皮肉は、1年前から大きな変化が見られないことに向けられている。

「(自分の)家が燃えているかのように、行動してほしいんです。実際燃えているのですから」

そう語りかけてから1年、グレタさんは様々な場所で行動を呼び掛けてきた。昨年9月に開催された国連気候行動サミットでは「よくもそんなことを」と繰り返し、行動しないリーダーたち、気候危機の現実を隠すかのように振舞う大人たちを痛烈に批判した。

「本来なら私は海の向こう側で、学校にいるべきなのです。それなのにまだ、あなたたちは私たちの元に来ている。若者に希望を見出そうと。よく、そんなことができますね」

「あなたたちは空っぽなことばで、私の夢を、私の子ども時代を奪ったのです」

この時に用いた「empty words(空っぽなことば)」が、今年のスピーチでも使われた。

「子どもたちは心配しなくていいと、あなたたちは言います。『私たちに任せて。解決するから。あなたたちをがっかりさせたりしないよ。そう悲観的にならないで』」

「そして、何もないのです。沈黙、もしくはそれよりも悪い状況かもしれません。十分に行動しているという印象を与えようとする、空っぽなことばと約束に過ぎません」

Spencer Platt / Getty Images ニューヨークで開催された国連気候行動サミットに登壇したグレタ・トゥーンベリさん。2019年9月23日撮影。

「今年の世界経済フォーラムに参加している全ての企業、銀行、機関、政府関係者に要求します。今すぐに、化石燃料の探査と採掘への出資をやめてください。今すぐに、化石燃料補助金を廃止してください。今すぐに、そして完全に、化石燃料を放棄してください」

「これらを実行してほしいのは2050年でも、2030年でも、2021年でもありません。今、実行してほしいのです」

トランプ大統領、環境活動家たちは「破滅の預言者」

アメリカで弾劾裁判が始まる直前だったトランプ大統領も登壇し、約30分にわたって演説した。

弾劾裁判を意識してか、雇用拡大や賃金上昇などの実績を強くアピールした。

中国との関係も「これまでにないほど良好」だとし、「アメリカの貿易協定は21世紀の新たなモデルとなる」と語った。

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しかし、気候問題への取り組みについては、ほとんど触れなかった。

環境活動家たちを「破滅の預言者」「過去の愚かな占い師の後継者」と呼び、「今は悲観すべきではなく、楽観すべき時代だ」と批判した。

傍聴席にはグレタや彼女と共に参加した10代の環境活動家たちがいたが、トランプ大統領が彼女らを名指しすることはなかった。