昨年フルモデルチェンジを果たした『カルカッタコンクエストDC200』に続いて、今季はひとまわりコンパクトな同シリーズの『100』サイズがデビューする。監修したのは田辺哲男さん。長年にわたって氏が愛用してきた“巻き物専用機”はどのような進化を遂げたのか。
“サカナがよく食べてくれるリール”、リ・ボーン!!
昨年まで、メディアに掲載される田辺哲男さんの使用タックルのなかに、最新機種であるカルカッタコンクエストDC200やSLX MGL、あるいは16メタニウムMGLなどに混ざって、しばしば10カルカッタコンクエスト100DCを見かけることがあった。
発売から10年、すでに廃盤となっているモデルである。
なぜ、田辺さんは旧100DCを使い続けていたのか? 理由は極めて明快で、田辺さんにとってそれが“釣れるリール”だったから。そしてもうひとつ、水面下で開発を進めていた後継機種を一般のメディアで露出するわけにはいかなかったからだ。
田辺「33mmのスプール径でDCの使い勝手と、コンクエストの力を備えたリールというのは、代替がなかった。俺のなかで(旧100DCは)スプール径とギア比のマッチングが完璧なんだよ。幅広いルアーに対応できて、絶妙な巻きの速度で、障害物へのコンタクトを感じた際の間合いも取りやすい。だから“サカナがよく食べてくれるリール”だったんだ」
釣れるから使う、これ以上の説得力はない。そしてそれは、机上の理論で数値化されたものではなく、プロフィッシャーマン・田辺哲男の膨大な経験と釣果という絶対的評価のうえに成り立つ黄金比であり、唯一無二の存在なのである。
田辺「去年、200がモデルチェンジして、飛距離や巻き上げ力の向上は実感した。マグナムクランクとかでかめのトップとか、そもそも自重のあるルアーはDC200の得意とするところだよね。じゃあ、その下の中~軽量な巻き物はどうか。
俺が普段、相手にしているのは関東のメジャーな人造湖なんだ。そこでもれなく必要とされるのはオーバーハングの攻略。迫り出した木々と水面の隙間に低弾道なキャストを決めて巻き物でバンクを撃っていくという、もっともテクニカルなアプローチが要求されるわけだよ」
低弾道キャストが確実に決まる!
『20カルカッタ コンクエストDC100』は、田辺さんが最適解とする33mmスプールを搭載。旧モデルよりもスプール幅を1mm狭め、ギア比をわずかに低くしてある。
田辺「実際に旧モデルと同じロッド、同じ糸巻き量で使い比べながらテストしていったんだけど、明らかに低弾道なキャストが決まるんだよ。シャッドやスモールクランクも意のままに投げられる。10投したら10投とも、自分のイメージどおり、一番奥の狙ったスポットに届けられる。これは旧モデルでは叶わなかったことなんだ」
ナロースプールはサミング時に親指がスプール全体を押さえられるため、キャスト後のスラック(スプール内で糸が浮く現象)が激減。ラインを引き出したり、捨てキャストの必要がない分、投げて巻くリズムを阻害することもない。
田辺「バックラッシュしない、飛距離を稼げる、巻き上げる力が強い、といった実使用場面で誰もがはっきりと分かる進化だけでなく、“釣れるリールのフィーリング”を完璧に再現できている。これでもう旧モデルの出番はなくなった。今季からはもう全替え。心置きなく『DC100』を露出できますよ(笑)」