業界大手ならではの“総合力”が魅力の完全ワイヤレス。プラントロニクス「BackBeat PRO 5100」レビュー

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■ユーザーの求める機能性が全て揃った完全ワイヤレス「BackBeat PRO 5100」

完全ワイヤレスイヤホンの市場には現在数多くのブランドが参入しているが、なかでもPlantronics(プラントロニクス)は異色の存在だ。元々は航空機の通信ヘッドセットの開発から出発したメーカーで、会議やコールセンターなどで使う業務用ヘッドセットの大手である。海外メーカーには音楽制作向けの録音マイクを手掛けるブランドも多いが、通話マイクとコミュニケーション用ヘッドセットに関しては、プラントロニクスこそプロフェッショナル向けブランドといえる。

そんなプラントロニクスが手掛けた最新の完全ワイヤレスイヤホンが、今回紹介する「BackBeat PRO 5100」だ。音楽を聴いて楽しむリスニング用としてはもちろん、通話用マイクにもこだわりがあり、独自の「WindSmart テクノロジー」など得意とする自社技術を搭載している。早速、本機のマイク性能や音楽再生能力がどれほどのものなのか、詳しくチェックしていこう。

「BackBeat PRO 5100」OPEN価格(想定実売価格25,080円前後)

■ “WindSmart テクノロジー” による高い通話性能

BackBeat PRO 5100は本体カラーがブラックで、装着時に見える光沢仕上げのパネル部分はボタン操作の機能も兼ねている。一見普通のイヤホンデザインだが、本機にしかない特徴的な意匠が、パネルの外周部にあるマイク穴だ。

パネルの外周部にマイク穴が配置されている

装着時の向きとしては口元側に配置されており、これがプラントロニクス社が採用する「WindSmart テクノロジー」のためのウィンドスクリーン構造となっている。これにより風を上手く逃がし、屋外通話の騒音を低減しているのだ。さらに通話用のノイズキャンセルマイクは合計4基搭載しており、これらの組み合わせによってクリアな音声を届けることができる。

通話用のノイズキャンセルマイクを合計4基搭載
装着した際に口元側に向くよう設計されている

では、このWindSmart テクノロジーによる通話品質はどれほどのものなのか。今回、家族に協力してもらってBackBeat PRO 5100をペアリングしたスマホを渡し、強い冬の風が吹く屋外で通話を試してみた。

通話を試すと、周囲の騒音の音量をぐっと押さえこむようにして、相手の声が鮮明に聞こえてきた

通話しはじめるとすぐにその効果がわかる。周囲の騒音の音量をぐっと押さえるような形で、声がクリアに聞こえてくるのだ。風の音も、一般的なマイクではノイズで使い物にならないような風量であっても、ウィンドスクリーン構造が上手く働いて、しっかりノイズを低減してくれる。

専用アプリ「BackBeat」で詳細設定も可能
通話品質の選択も可能。HD品質とすることでより明瞭な通話が行える
スマートセンサー機能では、イヤホンを耳から外すとマイクをミュートすることも可能

日本では普段からハンズフリー通話をメインに活用する人は少ないかもしれないが、音楽リスニング中にかかってきた電話に応答する際など、通話品質は重要なポイントだ。BackBeat PRO 5100は完全ワイヤレスイヤホンであり、耳元にあるマイク位置と口への距離が遠いことを考えると、騒音を低減しながら声を上手く拾う効果は、かなり高い。

また、片方はケースにしまったままで、もう片方だけを装着すると片耳通話が行えるモノラルモードの搭載も、通信ヘッドセットに端を発するプラントロニクスならではの機能性だ。通話性能において、BackBeat PRO 5100は完全ワイヤレスイヤホンとして非常に優れている。

カスタマイズ機能も豊富

■音楽リスニングだけでなく、スポーツにも使えるカスタマイズ機能

続いて音楽リスニングに向けた機能を紹介していこう。本機では独自のイヤーチップにより、周囲のノイズを物理的に低減するノイズアイソレーション構造を採用している。

通常のイヤーピースと何が違うの? と思うかもしれないが、傘のような形をしたイヤーピース部だけでなく、筐体に被せるスカート部分までを一体化しているのがポイント。これにより耳に触れる部分はシリコン素材のイヤーチップのみとなり、密着感が高まるとともに、耳を密閉することでノイズもしっかり低減するのだ。

筐体を覆うような形の独自イヤーピース。耳に触れる部分がほぼシリコン素材となり、ノイズの低減にも寄与する

内部には5.8mm径のドライバーを搭載しており、Bluetoothはバージョン5.0。対応コーデックについてはSBC/AACに対応している。なお、防水機能はIPX4相当まで対応している。

イヤホン本体による音楽操作は、左側を1回タップで音量アップ、長押しで音量ダウン、右側は一回押しで再生/停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻し。他社にはあまりない操作体系だが、音量操作もカバーしている上に、音量調整と再生系に操作が分かれている点もとても扱いやすい。さらにスマートセンサー機能を内蔵していて、着脱時に自動的に音楽を再生/停止してくれるところも便利だ。

連続再生時間はイヤホン単体で最大約6.5時間で、充電ケースとの併用で約19時間半。充電端子はmicro USBだが急速充電にも対応しており、10分の充電で最大約1時間の利用も可能。加えて、ペアリングしたデバイスと通信圏外になって90分以上経過すると、自動で省電力の「ディープスリープモード」に移行するなど、バッテリーの持ちは良好だ。ケースから取り出すとイヤホンの電源が自動的にオンになり、デバイスとも自動で再接続できる。

充電ケースとの併用で約19時間半の連続使用が可能
ケースは小型で手のひらにおさまるサイズ感

様々な機能を備えているBackBeat PRO 5100だが、実際に使ってみて、想像以上によく作り込まれていると感心した機能がある。それが、スマホアプリ「My Tap」を利用した、左イヤホンのボタン操作のカスタマイズだ。

情報量をしっかり引き出し、フラットかつ見通し良いサウンド

「My Tap」で割り当てられる機能の選択肢はなかなかユニーク。1回押し/2回押しにそれぞれ、Siri(ボイスアシスタント)、ヘッドセットのステータス、タイマー、ストップウォッチ、時刻通知、Spotifyプレイリスト、Apple Musicプレイリスト、Deezerプレイリストをセットできる。

音量操作をする場合はタップ操作はできない
タップ操作をONにすると、一回/二回押すことで様々な機能操作が利用できる

タイマー機能では、スマホ画面上から設定した間隔でタイマーを繰り返すことが可能で、使い方は様々考えられるが、スポーツ時に使用する際の時間刻みにちょうど良い機能だろう。ストップウォッチ機能は、ボタンを押してから再度押して止めるまでの時間を計測するシンプルな機能だが、タイム測定の用途としても利用できそうだ。

時刻通知は、スマホの時間をそのまま音声で読み上げてくれる機能。たとえばランニングを時刻で管理しているとき、スマホを見ずに確認できて便利だ。どれもがスポーツ時に使える便利な機能として、活用シーンがすぐに思い浮かぶ。

もう一つは、定額音楽配信のアプリに紐付いた再生機能。Spotifyプレイリスト、Apple Musicプレイリスト、Deezerプレイリストは、それぞれ契約している音楽配信のプレイリストを選んでおけばボタン一つで呼び出せる。この機能も、細かな選曲よりいつも聴く曲にシンプルにアクセスしたい、ランニング中の音楽リスニングのような用途に特に適しているだろう。

■フラットながら、情報量をしっかり引き出すバランスを実現

本機をiPhoneとペアリングして、その音質を確かめてみる。宇多田ヒカル「あなた」を聴いてみると、ボーカルをクリアに鳴らしながら、楽器の演奏との距離感を大きく変えないよう徹底されている。ほぼフラットで、全体の情報をしっかりと出すバランスである。

全体の情報をしっかり表現するサウンドキャラクター

低音のみ若干強めで、リズムをしっかり刻むところが、音楽リスニング用イヤホンとして考えたものだろう。中域も多くの情報量を引き出すので、オーケストラをはじめとしたバックバンドの演奏も存在感を発揮。なかなかほかの完全ワイヤレスイヤホンでは得られないバランスだ。

Bruno Marsの『24K Magic』でも、洋楽の強いリズムの刻みを勢いに走りすぎることなく表現し、中低域にかけての音の沈み込みも的確に描写。中域のセパレーションをクリアに聴かせてくれるので、楽曲の中にある空間表現まで見通せる。

RADWIMPS「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」では、耳の近くで聴こえるような女性ボーカルの響きが印象的。ピアノの音のクリアさだけでなく、取り囲むように配置された音の見通しが巧みだ。

プラントロニクスのBackBeat PRO 5100は、通話性能の高さとともに、スポーツにも活用できる機能性がユニークな完全ワイヤレスイヤホンだ。さらに音楽リスニング用のイヤホンとしても、フラットを基本としながら、高音質を追求する日本人にも好まれるサウンドを備えている。その魅力をまとめるなら、「老舗ヘッドセットメーカーらしい総合力に優れた完全ワイヤレスイヤホン」と呼ぶべきだろう。

(企画協力:株式会社ゲート)