早期退職者1万人超…業績好調も進む「黒字リストラ」

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TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。1月16日(木)の放送では、増加傾向にある“黒字リストラ”について意見を交わしました。

◆「黒字リストラ」が増加

2019年に早期退職・希望退職した人が1万1,351人に達したことが、東京商工リサーチの調査でわかりました。電機大手を筆頭に、6年ぶりに1万人を突破。業績が好調なのにもかかわらず「黒字リストラ」に踏み切る企業が増えています。

元財務官僚でニューヨーク州弁護士の山口真由さんは、「構造改革とか年齢構成を若くするのは、AI社会ではある程度やむを得ないと思う」と見解を述べつつも、「そのときに大切なのは、今まで働いてきた人を抵抗勢力や邪魔者扱いするのではなく、敬意を持って遇すること。
そうしないと、トランプ大統領やブレグジット(イギリスのEU離脱)のような形の分断を生んでしまう」と危惧します。

なぜ黒字なのにリストラを図るのか……その背景には2つ大きな理由があると見られています。

1つは、東京オリンピック・パラリンピック開催後に景気が後退すると考える企業が、そうした局面に備えて早めにリストラをするケース。そして2つ目は、社内の年齢構成の是正。多くの企業で若手や中堅社員が不足しているため、バブル期に採用した給料の高い社員をリストラするケース。

MCの堀潤が「人材をコストと見なされ、こうした企業経営のなかで人生は決められていくのか」と憤ると、慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんは、「3.11以降、特に仙台の企業が一時的にすごく景気が良くなって、僕の知り合いのなかにも助成金を切られたり、復興工事が減ったけどなかなか人を切れなかったりして、黒字倒産したケースをけっこう聞いた」とコメント。そうした事例もあることから、「慎重になっている面はあると思う。だけど、企業が生き残ることを大事にするのか、働き手の人生が充実することを大事にするのか、会社か人かという部分で難しいところ」と話します。

そして、「僕が不安に思うのは、リストラの対象になっている世代の人たちは、転職とかがまだ盛んではなく流動的じゃない時代に生きてきたから、(副業やフリーランスなど)働き方の柔軟さや対応できるだけの施策がないと路頭に迷ってしまうのでは
」と案じます。

番組Twitterに寄せられた視聴者からのメッセージのなかには、「早期退職が1万人ということは、労働力が1万人供給されたということ。そんなに悪いことではないのでは」との意見も。これに対し、若新さんは「(どの企業も)みんな若手がほしい
ですから。地方では常に求人のほうが上回っていますけど、やっぱりみんな真っ白な状態で来てくれる若手を望んでいる。まずは会社のやり方を学んでほしいという考えは根強い」と指摘。

一方で、「バブル世代の40~50代がターゲット。業務改革を強力に推進しないと若い世代にしわ寄せがいき、政府が目指す70歳雇用へのハードルが高くなりそう」と推察するメッセージも。

キャスターの宮瀬茉祐子は「早期退職する40~50代の人たちは勤務年数がけっこう長く、ある程度まとまったお金をもらえるが、(早期退職や希望退職が)盛んになったときに退職金という保障がないままに社会が回っていく。そうなると退職金という概念自体を変えていったほうがいいのではないか」と提起していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross