中国からの観光客…目立つマスク姿 “新型肺炎”を警戒する沖縄 「麻疹の教訓」を生かせるか

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検疫検査場に設置されたサーモグラフィーの前を通過して入国する中国人観光客ら=22日午後4時半ごろ、那覇空港国際線ターミナル(落合綾子撮影)

 中華圏から大勢の観光客が訪沖する春節の連休(24~30日)を前に、厚生労働省那覇検疫所や県が、中国武漢市を中心に発症が相次ぐ新型コロナウイルスによる肺炎の県内感染防止に向けて警戒を強めている。

 沖縄では2018年、外国人観光客が発生源となって国内最大規模の麻疹(はしか)集団感染が発生したことも。県は観光業で働く人の感染予防対策も拡大防止に重要とみて、インフルエンザ対策を兼ねた手洗いの徹底を呼び掛けている。

 那覇空港国際線到着エリアの検疫所では22日夕、到着した上海便の搭乗客にマスク姿が目立った。職員によると「中国からのお客さんは普段マスク姿をほとんど見掛けない」という。

 同空港では18日ごろから来沖する中国人観光客が増加している。来週半ばくらいまでこの傾向が続くことを見込み、中国便の到着時に職員1人を増員するなど、水際対策に神経をとがらせている。

 通常通りのサーモグラフィーによる体温検査に加え、体調に異常があれば検疫官に申し出るよう呼び掛け、注意喚起のポスターも掲示した。

 県内では18年、台湾人観光客の麻疹感染確認を皮切りに、101人に及ぶ集団感染が発生した。観光客が足を運んだホテルや飲食店、商業施設の従業員、居合わせた客らに2次感染し、県内各地に広がった。

 県地域保健課は、現時点では麻疹のような強い感染力は確認できていないとしつつ、県内感染の確認時は「麻疹の教訓を生かし、発症した人を速やかに医療機関につなげるほか、患者の滞在場所を確保するなど観光部局と連携を深めたい」と話す。

 県によると22日午後5時現在、医療機関から新型ウイルス疑いの検査依頼は寄せられていない。

 沖縄観光コンベンションビューローの担当者は事態を注視する。「早期の対策も重要だが、かえって観光関係者に不安を与え、風評被害につながりかねない。対策実施はリスクも伴うので慎重に判断しなくてはいけない」と語った。