感染症の季節の心得

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 鎖国時代に海外交易の窓口だった長崎は、島国にはなかった病気の流入口ともなった。代表例ではコレラや天然痘、インフルエンザとみられる「はやり風邪」などがある▲1802年に長崎から広まった風邪は、江戸で放火事件を起こしたとされる「八百屋お七」の小唄にちなみ「お七風」と呼ばれた。火事と絡めた言い方からは、悪質な風邪が当時どれだけ恐れられていたかがうかがえる▲開国から百数十年たった今は国境を越えて人と物が盛んに往来するだけでなく、病気の国際化も進んだ。アジアでは2002~03年に流行した新型肺炎(SARS)などが思い出される▲今年に入り中国・武漢市で確認された新型ウイルスによる肺炎の感染が拡大している。中国では22日時点で470人超が発症し、17人が死亡。日本などでも発症者が確認された▲折しも中国では春節(旧正月)の連休が24日から始まる。海外に出掛ける人が増え、中には日本、それも長崎市の長崎ランタンフェスティバルを目当てに訪れる人もいるだろう▲日本政府は水際対策を強化するというが、限界はあろう。そもそも冬季はインフルエンザやノロウイルスによる胃腸炎などが流行しやすい。個人でも、こまめな手洗いやマスク着用などを徹底して感染症全般を防ぎ、この季節を乗り切りたい。(久)