30年の見守りに感謝 駐在さん退職でお別れ会 剣崎小

花道をくぐりながら笑顔を見せる田中さん=市立剣崎小学校

 今春退官する神奈川県警三崎署松輪駐在所(三浦市南下浦町松輪)の警部補、田中和久さん(60)の「お別れ会」が22日、駐在所近くの市立剣崎小学校で開かれ、全校児童66人や保護者らが長年の感謝を伝えた。

 田中さんは1990年3月に同駐在所に着任。この30年間に同校では約900人が在籍し、毎朝の児童の登校の見守りや交通安全教室のほか、卒業式や運動会などにも出席し、子どもたちから「田中さん」と呼ばれ親しまれてきた。

 お別れ会では、子どもたちや卒業生、地域住民らが登場する7分半のビデオレターが上映され、記念アルバムや感謝状が贈られた。児童らは「お金を拾って届けると褒めてくれた。友達がパスモをなくした時、一生懸命捜してくれた」「田中さんのように冷静で堂々とした大人になりたい」などと語った。

 「900人の児童を見てきて、犯罪に巻き込まれたり交通事故で亡くなったりした人が一人もいないことは誇り」と応えた田中さんは子どもたちがつくった花道をくぐり、笑顔を見せていた。

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