「武器の守備でアピール」 バスケットボール男子で東京五輪出場を目指す田中大貴 

「絶対に東京五輪に出たい」と語る田中=東京都府中市、トヨタ自動車府中SC

 バスケットボール男子Bリーグで3連覇を目指しているA東京の田中大貴(長崎西高-東海大出身)。実力、人気ともに国内屈指のプレーヤーに成長した28歳に、昨年のワールドカップ(W杯)の感想、代表入りを目指す東京五輪への思いなどを聞いた。

 ▼いよいよ五輪イヤーが幕を開けた。抱負を。
 東京五輪開催が決まってから、大きなモチベーションとしてバスケをやってきた。これまで同世代の柔道や水泳、陸上をやっている選手たちが五輪に出ているのを近くで見てきた。自分もいつか五輪に出て活躍したいという気持ちがあった。何とかメンバーに入って、五輪の舞台に出たい。

 -代表選考までのスケジュールを。
 シーズンが終わってから、日本代表のメンバー発表がある。選考に直接関係ないが、2月に代表戦がある。まだメンバーが決まっていない以上、選考の場だと思う。そこでいいプレーをしたい。

 ▼昨年はどんな1年だったか。
 W杯を経験できたのが大きい。今まで世界の舞台に出られなかった男子代表が、自分たちの力で出場したのはプラスの要素。同時に世界とのレベルの差がまだあると感じた。もっと成長して、しっかりと取り組んでいかないといけない。五輪はW杯よりレベルが高い。いい試合をしてバスケットボール界が盛り上がるように結果を出したい。

 ▼代表に入るためにアピールしたい部分は。
 トップレベルの選手が集まる中で、短い時間で自分の役割を果たさないといけない。自分の武器の一つであるディフェンスで、いい影響を与えたい。何十本もシュートを打てるチャンスが来るわけじゃない。数少ないシュートチャンスの中で、確率よく決めていく力の向上も必要になる。

 ▼直近の目標を。
 五輪を頭の片隅に置きながら、A東京で激しく自分を追い込んで一日一日精進していくことが先につながる。団体スポーツで連覇するのは難しい。自分たちを倒そうと対策を練ってくる。2連覇が3連覇になるので、もっと激しくなる。今いるメンバーで目の前のことに集中して戦っていけば、チャンスはある。勝ちたいというより、負けたくない思いが強い。

 ▼自信がついてきたところは。
 年を重ねて、試合数もこなすことによって、経験という部分で昔の自分よりもある。試合に対しての持っていき方、試合中の落ち着き具合。W杯を経験して精神的にも強くなれた。五輪に出てもバタバタしないで入っていける。世界的に見てもいいヘッドコーチから2、3年、学べているのが大きい。いろんな面で成長できている。前よりもボールを触る回数も増えた。自分が起点になっていろんなプレーができるようになった。

 ▼最後に、地元長崎のファンへメッセージを。
 五輪の舞台に立って自分がプレーしている姿を見せるのが、恩返しになると思う。頑張りたい。

 【略歴】たなか・だいき 雲仙市の富津小2年からバスケットボールを始め、小浜中から長崎西高に進学。U18日本代表候補に選ばれ、東海大3年から日本代表入りした。4年時は全日本大学選手権でV2、2年連続でMVPを獲得。2014年、A東京の前身のトヨタ自動車東京に入団。Bリーグ17~18年シーズンで初優勝を飾り、チャンピオンシップのMVPに輝いた。18~19年シーズンの2連覇にも貢献。ポジションはSG。背番号は24。192センチ、93キロ。28歳。

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