「和食」といっても味も作り方も千差万別!関東・関西の6つの食文化の違い

同じ日本、同じ本州にありながら、関東・関西の食の好みは大きく違います。でも旅行者にとっては、同じメニューの別バージョンを味わえるという面白さも!この記事を読んで、東西の和食を食べ比べてみませんか?

関西・関東とはどこ?

東京を中心とした 関東地方と、京都・大阪を中心とした関西地方。どこからどこまでを関東・関西と分けるのかは明確に決まっていませんが、一般的に関東地方とは東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県を指し、山梨県や長野県が含まれることもあります。
一方、関西地方はというと、大阪府・京都府・奈良県・兵庫県・和歌山県・滋賀県を指すことが多く、この他にも周辺の三重県や岡山県などが加わることもあります。

1. 焼き方が違う!【うなぎ】

香ばしいタレの香りがたまらないうなぎ。日本でうなぎを食べることを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?そんな人気の日本食であるうなぎは、関東と関西で食感も味わいも異なります。
まず、うなぎをさばくときには関東では背から、関西では腹から包丁を入れます。侍の多かった関東では切腹を連想させることから腹開きが避けられたとも言われています。
また、関東では蒸してから焼くのに対して、関西では蒸さずに焼くのも大きな違い。関東風ではやわらかくトロッとした食感、関西風のほうは皮はパリッと、身はふんわりとやわらかく仕上げます。

2. 甘いのは関東だけ?【卵焼き】

卵焼きとは、卵をといて、四角い専用の調理器具で焼きながら厚みのある方形に整えたもの。日本では家庭でもよく作られる料理です。関東と関西で見た目にはそれほど変わりませんが、味付けは正反対。濃い味付けが好まれる関東では醤油やみりん、砂糖を使って甘い味付け。薄味が好まれる関西では、出汁の旨味をきかせた甘くない味付けになるのです。
ちなみに寿司店で卵焼きを注文すると、どちらが出てくると思いますか?正解は甘い味付けの卵焼き。これはもともと握り寿司が東京で誕生したためです。

3. 関西人はコレが苦手?!【納豆】

茨城県の名産品である納豆。そして、多くの日本人は「関西人は納豆が苦手」というイメージを持っています。実際に関西地方では関東に比べて納豆の売り上げが低く、関西のスーパーに納豆が並べられるようになったのも30年ほど前からだそう。しかし、昨今の健康ブームで納豆を食べる人も増え、関西向けに味付けやにおいを抑える工夫をしたところ、今では納豆好きな関西人も増えているようです。あと何十年かしたら、この定説がなくなってしまうかもしれませんね。

4. 作り方が違う!【すき焼き】

人気の和食・すき焼きも、関東と関西で作り方が違います。関東風では醤油、みりん、料理酒、砂糖、だしで作った「割り下」を一煮立ちさせてから野菜や肉を入れます。鍋の中で煮て調理するのが関東風なのです。
それに比べて関西風は、砂糖と醤油を直接鍋に入れ、肉を焼いてから野菜を入れます。野菜から出る水分だけでは調味料が煮詰まってくるので、その場合には酒や水で薄めます。
味わいは、関東風のほうは肉から出る旨味が野菜にも染みてまろやか。一方、関西風は煮汁に溶け出す前に肉の旨味をしっかり堪能することができます。

5. カップ麺も味が違う!【だし】

関東と関西、それぞれの味の好みに合わせて、いくつかのカップ麺はだしの味を変えているんです!旅行中に両方を購入できる方は、ぜひ同時に食べて味の違いを感じてみてくださいね。
関東版は色の濃いかつおだし、関西版はつゆの色は薄く、昆布だしを中心にかつおだしを混ぜたものとなっています。かつおだしのほうが香りは強く、こんぶだしは素材の味を生かしながら旨味を足します。
東西でカップ麺の味が違うということを知らない日本人も多く、自分の住む地域以外で購入した人から「いつもと味が違う」という苦情の電話が毎年何件かメーカーへ寄せられるそうですよ。

6. お正月の料理も違う【お雑煮】

元旦、家族で新年の挨拶をしてから食べるお雑煮は、各地の特徴がはっきりと出る料理。関東・関西という違いだけでなく、地方ごとに特色あるお雑煮が作られているのでバラエティ豊かです!年末年始を日本で過ごすならぜひ食べてみてくださいね。
関東に多いお雑煮は、かつおだしを使い、透き通った醤油味のつゆに四角い餅、鶏もも肉や人参などが入っています。一方、関西に多いお雑煮は昆布だしと甘みのある白みそを合わせた真っ白なつゆに丸い餅。関東とは違って金時人参という関西特有の人参が入っており、色が赤く、通常の人参よりも香りは少なく甘みがあります。

いかがでしたか?新幹線で2時間半ほどの距離なのに、味の好みが全く違う関東・関西。地域によって味がどう変わるのか、関東・関西の境目の地域ではどうなっているのか、食べ比べを楽しみながら旅行してくださいね!

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