投手陣の立て直しを目指すパイレーツ 先発ローテは6人の争い

1年前、パイレーツの先発ローテーションはMLB公式サイトで「最も過小評価されている」と紹介され、ローテの一員であるスティーブン・ブロールトも「(良い意味で)恐ろしいメンバーだと思う」と自信を見せていた。しかし、その先発投手陣は防御率5.40と完全に崩壊。チームが93敗を喫する要因の1つとなってしまった。投手陣の立て直しを目指す今季、パイレーツはエース格のジェイムソン・タイオンをトミー・ジョン手術により欠くことになるが、6人の投手によるローテ争いが予想されている。

ローテを争う6人はクリス・アーチャー、ジョー・マスグローブ、トレバー・ウィリアムス、ミッチ・ケラー、ブロールト、そしてトミー・ジョン手術から復帰するチャド・クールという顔ぶれだ。レイズ時代に2ケタ勝利、200イニング、200奪三振を3度ずつ達成しているアーチャーには、3勝9敗、防御率5.19に終わった昨季からの復調が期待される。昨季チーム最多の170回1/3を投げ、自身初の2ケタ勝利をマークしたマスグローブのローテ入りも当確だろう。

ウィリアムスには14勝10敗、防御率3.11をマークした2018年のピッチングを取り戻すことが期待される(昨季は7勝9敗、防御率5.38)。2018年の後半戦は12先発で防御率1.38という素晴らしい成績を残しており、復調できれば先発3番手としては十分すぎる存在だ。ケラーはメジャー1年目の昨季こそ1勝5敗、防御率7.13と打ち込まれたものの、マイナー時代からエース候補として期待は大きい。歌唱力に定評のあるブロールトも昨年5月20日から9月1日(現地時間)までの期間は防御率2.87と安定したピッチングを見せており、さらなる成長に期待。クールは安定して4点台前半の防御率を記録しており、先発4~5番手として計算できる存在だ。

今オフ、パイレーツはデータ分析に長けたオスカー・マリンを投手コーチに招聘し、控え捕手には守備力に定評があるルーク・メイリーを獲得。正捕手を務める予定のジェイコブ・ストーリングスも守備型の捕手であり、投手陣の立て直しをサポートする体制を整えている。目立った投手補強は行っていないものの、投手陣の立て直しに向けたこれらの取り組みが成功するか注目したい。

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