長身のオコン、シート合わせを終え「ルノーF1のコクピットは快適」

 ルノーF1チームに加入したエステバン・オコンは、長身の身体をチームの2020年型マシンに合わせることには何の問題もなかったと述べている。

 現代F1マシンにおいて、コクピット内でのドライバーの快適性は非常に重要だ。そこには余分なスペースは存在せず、身体の動きはシートやベルトによって制約を受ける。

 長身のドライバーがコクピット内で快適な環境を得るのはより一層難しい。うまく身体を収めるためのスペースは、シート合わせの重要なプロセスの域を超えて著しく制限されている。

 身長186cmのオコンは、F1現役ドライバーのなかで最も長身だが、ルノーでの前任者ニコ・ヒュルケンベルグも約184cmあった。つまりルノーは、オコンを起用する前から数シーズンにわたって長身のドライバーを乗せてきた経験を持つ。さらに、オコンは2016年にルノーのリザーブドライバーを務めていた。

 最近エンストンで行われたシート合わせで、オコンはR.S.20内でのワークスペースを試したり、快適性を測ることができたという。

「マシンの基本設計は随分前に終わっている。だからサイズとスペースに関しては、完全に決まっていた」とオコンは『L’Equipe』に語った。

「でも幸運なことに、僕は以前もチームで走る機会があったから、彼らは僕についての資料をすべて持っていた」

「ルノーのマシンはこの数年、大柄のドライバーに合わせられてきたから、僕の場合、元の場所に戻ってきて難なくマシンに収まることができたという感じだよ」

 コクピット内のスペースをうまく調整することは、新マシンに搭乗する際に快適さを得るプロセスの最初の段階となる。2番目の段階は、超高性能なステアリングホイールのコマンドと機能を設定することだ。

「僕には多くの好みがあるし、その好みに合わせられれば走行が楽になるんだ。だから設定には多くの時間を使う」とオコンは説明する。

「まだ少し時間のかかる、複雑な作業がいくつかある。今もそれに取り組んでいるところだ。ボタンを適切な位置に配置するとか、僕の手順を容易にする作業などだね」

「メルボルンまでにすべてを整えなければならない。そして(バルセロナでの)6日間のテストもある」

■「開幕に向けて新エンジニアとの信頼関係を築こうとしている」とオコン

 以前ヒュルケンベルグを担当したマーク・スレイドが、オコンのトラックサイドエンジニアを務める予定だ。

「マークのことは数年前から知っている」とオコン。
「彼はチームにとても長く在籍していて、多くのドライバーと多くの経験を積んできている。だから彼は、僕たちが皆それぞれ違うということを分かっているんだ」

2019年F1アブダビテスト エステバン・オコン(ルノー)

「とても仕事がしやすい人物だ。でも早くお互いを深く理解し合う必要があるから、一緒に多くのシミュレーター作業をする予定だ」

「すでにアブダビで一緒に時間を過ごした。そのことはとても役に立ったと思う。でもメルボルンに向けて準備をする期間は6日間しかない。僕が今、多くの時間をファクトリーで過ごしているのは、準備を整え、理解の点で問題がないようにするためだよ」

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