衝撃の選挙予測 「自公で83議席減!?」(ただし○○の条件付き) 選挙ドットコムちゃんねる第9回 #3

レギュラーコメンテーターの松田馨さんが、衆院が解散した場合の総選挙の議席予測を発表!
その大胆予測に、番組MC乙武氏と千葉氏、色めき立つ!

早くご本人からの詳しい解説が聞きたいところですが、今回は松田氏欠席をいいことに(!?)、松田氏の予測をJX通信社の米重さんとあれこれツッコミを入れつつ、勝手に読み解きます。

さっそく番組をダイジェストでお届けします。

欠席裁判!? 松田氏の議席予想を厳しくチェック!

乙武 「今回のテーマは『2月に選挙となれば、与党83議席!?』です。雑誌 FLASHで、いつもこの番組でゲストコメンテーターをしてくださっている、選挙プランナーの松田馨さんが議席予測をされたという情報が飛び込んでまいりました」

千葉 「こちらですね。FLASH 2020年1月21号『日本一早い!2月解散総選挙完全予測 自公で83議席減!』と題して、選挙プランナー松田馨氏による議席獲得の予測が掲載されました。

全小選挙区の当選と比例ブロック別の獲得議席数を予測していらっしゃるそうです。でも今日は、松田さんはいらっしゃらない?」

乙武 「逃げたな~!」(笑)

千葉 「いらっしゃらないからこそ、ここで3人でね、ちょっと、いろいろ……(意味深な笑み)」

乙武 「欠席裁判をね! まぁこの予測はあくまで、今月解散で2月に選挙があった場合ということですね」

千葉 「今回の予測は、1月解散で2月に総選挙の想定というのと、野党がまとまることも必須条件として考えられたわけですね」

自民は約80議席減、選挙絶対王者の公明も、小選挙区で競り負ける!?

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乙武 「さあさっそく見ていきますか。まずは政党別衆議院465議席の内訳予測ですね」

乙武 「あ、自民がかなり減らすという予測だ」

米重 「ざっくり80議席くらいは減らすという数字になっていますね。そして公明党がもしかしたら小選挙区で、いくつか競り負けるという感じなのかな。

逆に立憲・国民・社民の3党がまとまると、163~173位取れそうだと。れいわはこれ、比例中心の予測だと思うんですけど1~10議席くらいっていう形。あとN国が0~1。この1はおそらく比例かな。まぁそういう予測を松田さんは立てられたんですね」

上昇機運の維新は、衆院選でも議席大幅増と予想

乙武 「維新がけっこう伸ばしてますね」

米重 「ええ、逆に前回にかなり落としたなという感じですからね。大阪での今の維新の勢いがあれば、ひっくり返りそうな選挙区というのがありますので、そういうのを積み上げていくと、近畿を中心にこういう数字になるのかなと思います」

乙武 「前回の番組でお届けした政党支持率でも、維新は少し上昇傾向にありましたけど」

*編集部注:日本維新の会の支持率はハイブリット最新調査では、3.6%を獲得。

米重 「維新の会は、大阪都構想を進めるためにということで、昨年4月にクロス選挙というのをやりました。同時に府知事選と市長選をやったわけですけど、どっちも維新が当選。

さらに統一地方選挙でもあったので、大阪市議会、大阪府議会の各議員選挙もやっているんですね。その結果、府議会では過半数を圧倒的に上回る議席を取って、市議会でも半数近くの議席を取ったと。維新からするとほぼ完全勝利という状況です。

さらにその勢いで、夏の参議院選でも、大阪選挙区で4議席のうち2議席を維新が取っている。しかもワンツー・フィニッシュで。

非常に今、勢いがあって今年は都構想の住民投票もありますので、この上昇ムードがそのまま持続すれば、衆院選でもまあこういう結果になるんだと思います」

 

乙武 「でも維新の党って、橋下さんの時代からそうだけど、伸びて来たなーってところで、上西小百合さんが出てきたり、去年も上り調子になったところで丸山穂高さんがやらかしたり、今年も下地さんの不祥事が露呈して、なんかちょっとついてないなっていうか」

米重 「そうですね。まぁ、新興政党あるあるだとは思うんですけど、ある意味人材の部分でやや難があるっていうことは言えるのかな。

昔からある老舗の政党より、そういった確率が高いのは事実だと思うので、今後これをどう克服していくかは、国政政党としてどうウイングを広げるかという点である意味大きな課題だと思います」

大胆な松田予測。数字に裏打ちされているので、米重氏は『妥当』と評価

乙武 「松田さんの予測ですが、米重さんの予測とちょっと違うなっていうところはありますか?」

米重 「たしかに与党の自・公が83議席減らすっているのは、ショッキングな内容ですが、正直いって私もかなり同じような見方をしているので、あんまり違和感はなかったですね。

というのも松田さんは、議席予測をするとき前回の衆院選などの大きい国政選挙でどの党が、あるいは誰が何票得票したかというところが重要な基礎ベースとしてあって、そのうえで最近の政党支持率の変化とかを加味して計算していくんです。

こういうふうに数字を重視して予測するのは松田さんの議席予想の特徴だと思っていまして。

松田さん以外にも政治評論家の方などが、選挙前に議席予測をなさっていたりしますが、割と適当に印をつけてるケースが意外に多くて『ここ、数字見ないでつけただろ』っていう丸つけをする人がけっこういらっしゃるんですね。

そういう中で、松田さんは非常に手堅く数字をベースにしっかり予測されていると思います。私は勝手に、こういう部分で松田さんにシンパシーを感じていますから、結果にはあんまり違和感はないんです」

ただしこの予測は、あくまで野党がしっかり共闘できれば、という条件付き

乙武 「でもこれはあくまで野党がきっちり共闘できればという、大前提があるわけですよね」

米重 「そうです。きれいに一本化しないとこういう議席、構成にはならないでしょう。

ちょっと古い話になりますが、もし自民党が200ちょっとで公明が30弱くらいで、民主系野党が170くらいになってくると、2003年の総選挙と似た感じになってくるんです。

2003年の総選挙ってなにかというと、小泉政権のときの選挙で、郵政解散の1個前なんです。
このとき民主党は躍進して170くらいになっているんですが、このときとけっこう似通った議席構成になってくる、と」

*編集部注 [**2003年総選挙**](https://go2senkyo.com/shugiin/43) 自民が237議席獲得となり、過半数に届かず、追加公認をしてかろうじて240議席になった選挙。民主党が大躍進して、選挙前に比べて50以上議席を増やし177議席に。一方で、共産、社民、保守新党は、2大政党の戦いに埋没して大幅に議席を減らした。

米重 「そういう意味では野党がまとまると、かつての自民党と民主党という、いわゆる二大政党の構図が再現されることになるというのは、まぁ妥当な予測だと思います」

逮捕されても判決前なら立候補できるが……東京15区 秋元司氏は出るのか?

乙武 「個々の選挙区も見ていきたいと思うんですが、米重さんが気になっている選挙区はどこ?」

米重 「まずは東京15区ですね」

乙武 「おぉー、あの逮捕された秋元司議員の選挙区ですね」

米重 「この選挙区は江東区なんですけど、秋元さんはあとからこの選挙区に来た人なんです。もともと秋元さんは、参議院で1期やってそのあと衆院を3期。衆院選のうち2回は比例復活。つまり同じ選挙区の柿沢未途さんにまけているんです。

柿沢未途さんは、お父さんが柿沢弘治氏で自民党の議員だったんです。でも未途さんは最初、みんなの党から出て、それからいろいろ選挙のたびに政党を変わっていると」

乙武 「今はどこなんですか?」

米重 「今は無所属。一部報道では自民党入りを希望しているという説もありますが、私自身はちょっとよくわからないです。

そういうタイプなので、柿沢さんはある意味、与党と野党の戦いというよりは、個人票ベースに闘ってきた方かなという印象ですね。

で、前回の選挙では秋元さんがしっかり自民党の票を固めて、初めて小選挙区で柿沢さんに勝ったんですよ。柿沢さんは比例復活されてますけど。

こういう流れだったのですが、今回秋元さんが逮捕されてますから、まずは次の選挙に出るかどうかというところと、あとはそのとき柿沢さんはいったどこの政党から出るのかというところが、注目したい点ですね」

乙武 「なんだか不確定要素が多すぎるな」

米重 「そうです。もう東京15区は、何があるかわからない状況ですね」

乙武 「そもそも逮捕された人が選挙に出ることは、ルール的に可能なんですか?」

米重 「実刑判決を受けると公民権が停止されるので、選挙に立候補することはできないですね」

乙武 「じゃあ、裁判で判決が出る前なら立候補できる?」

米重 「推定無罪ということですね」

 

あの石原伸晃氏も、落選するかも?

乙武 「あと、この雑誌の見出しには石原伸晃氏も落選か? とありますけど、東京8区になるんですかね、ここは」

米重 「東京8区は前回も野党の候補が乱立していたという選挙区でして、そのとき並び立った野党候補の得票数を合算すると、石原さんを上回るっている選挙区なんです。

なので、野党統一ができると、石原さんが落ちるかもしれないという予測は、妥当だと思います」

乙武 「たしか山本太郎さんが初めて政治にチャレンジしたときも、この東京8区からの出馬でしたよね。
ってことは伸晃さん、弱いと思われてる?」

米重 「伸晃さんが弱いというよりは、その地域で野党の支持が大きいというか、基礎票の段階で野党のボリュームが大きいと言える土地柄ですね。

一見すると、有名な政治家だし元都知事の息子さん。であったとしても、選挙区のベースの基礎票が決して与党有利ではない選挙区だから、結果としては選挙事情が不安定になってくるということですね」

乙武 「そうか。たしかに世田谷、杉並あたりはリベラルな土地柄って言われてますもんね」

米重 「東京の西部にはこういう選挙区が多いですね。そうやって見ていくと『この人危ないんだ』って聞くと、ちょっとショッキングというか『ホント?』て感じちゃうような話ですけど、選挙区の基礎票とか土地柄とかを理解したうえで見ると、単なる煽りやはったりの類ではなくて、しごくまっとうな予測なのかなと思います」

不祥事を起こした議員たちは、選挙で復活の目はあるのか?

乙武 「あと、不祥事があった議員がどうなるのかなってところも気になりますね。東京9区の菅原一秀さんとか、奥様がウグイス嬢にお金払いすぎちゃったんじゃないかと言われる広島3区の河井克之さんとか」

米重 「菅原さんの場合は練馬区。河井さんは広島3区ですけど、これらの選挙区も野党の基礎票がめちゃくちゃ少ないってわけではないんですね。

で、自民党の候補者が落ちるという時は、自民党の支持層を固めきれずに野党に食い込まれていくと。野党の候補に自民党の支持層の票が流れていくと自民党候補は落選という事態が起きますから、今回不祥事を起こしているってことは、落選のリスクが大きいと言えます。

菅原さん、河井さんともに形勢的には不利な可能性が高いですね。まぁ、いつ選挙があるかにもよるんですが。タイミングによっては甘利さんみたいに、選挙ですんなり復活するという可能性もあります。

でも選挙が近ければ不祥事のことをさんざん蒸し返されますから、そうなると厳しい」

千葉 「不祥事を起こしたから必ず落選とは限らないってことですか。その人となりとか、選挙のタイミング次第というか」

米重 「タイミングが重要ですね。解散が任期満了近くまでずれこむと、そのころにはみんな忘れてるかもしれないけど、逆にこのあとすぐとなるとバンバン掘り起こされちゃいますよね」

元「民主党の顔」議員は、次回衆院選でどう戦う?

乙武 「僕が気になっているのは東京18区と静岡5区。これ東京18区は菅直人さんと長島昭久さんの対決で、静岡5区は細野豪志さんと古川赳さんの闘い。

要は、長島さんも細野さんも、前までは『民主党の顔』というかね、メジャーな政治家だった人が自民党の会派に入っていくのかなってところで、それを有権者がどう受け止めるのか。ここは興味がありますね」

米重 「長島さんも細野さんも、旧民主党の中では比較的選挙に強い人で、名前が売れているというのももちろんあると思いますが、票ということで見ると、自民党の支持層にある程度食い込めるから強いという面があったんですよね。

長島さんは、どっちかというと保守系といわれていて『自民党支持だけど長島さんなら入れるか』っていう人が、以前は21区だったんで今回とはちがうんですけど、かなりおられたと。

細野さんに関しても、自民党支持層の中で対立候補が6割、7割くらいしか票を固められないために、細野さんに行ってしまうケースがありました。

つまりどちらもライバルである自民党候補の支持票を削っていく選挙ができる人だったんですね。この人たちが自民党に移って選挙を戦うとなると、どうなるのかは確かに注目ポイントです。

今までは民主党を足場に自民を削る戦いをしてきた人たちですから、今度は自民党を母体として戦うわけです。

静岡の場合は吉川さんも自民党から出られるので、分裂選挙になっていきますし、そこに野党の統一候補が立つとなると、これは非常におもしろいんじゃないかな」

乙武 「あ、細野さんの静岡5区は三つ巴の闘いになる可能性も高いんだ。ただ、細野さんは選挙区はそのままですけど、長島さんは選挙区を変わられて新しい選挙区である武蔵野もけっこうリベラルが強い土地柄ですよね」

米重 「そうですね18区は市長も野党系だったりするので、そういった経緯からするとやっぱり菅直人さんの方が比較的有利かな。そこは松田さんも同じような予測をされていますね。

ただ前回の総選挙でも東京18区は最初、自民の土屋さん(前市長)が有利という情勢分析が大半だったんですが、ちょうど2017年の立憲ブームに乗って一気に菅さんが支持を伸ばして、最後は小選挙区で勝ったという結末ですからね。

つまり菅さんがものすごく強いというわけではないというところに、元民主党という経歴を持つ長島さんをぶつける自民党というのは、なるほどよく考えてるな、と思います」

乙武 「そうか、こっちは元民主党対決ということになるんだ」

米重 「長島さんでリベラルの票をどこまで削れるかわからないですが、わからないものを見てみたいっていうか、けっこうおもしろい選挙区だなと思います」

議席予測が 政界の地殻変動を起こすきっかけになる場合もある

乙武 「ところで千葉ちゃんは、注目している選挙区ってある?」

千葉 「私はそもそもこういうものが、全国の全議席とか比例代表ブロックの獲得議席の予測とかが、選挙前に一気に出てくること自体を、初めて知ったんですよね。

さっき2003年の二大政党制の状況と近くなるって米重さんはおっしゃっていましたけど、逆にこれを見ることで、野党が『あ、やっぱりがんばってまとまんなきゃ』みたいな感じになったりするのかな、と思いました」

米重 「そうですね。こういう予測とかは国会議員の方とか、候補者などの当事者は必ず見るっていわれてますから、自分のところに黒い▼(落選予測マーク)がついていると『やばいな』って思うわけですよ」

千葉 「ええ、自分の名前に▼のマークがついていたら『えっ

』ってなりますよね」

米重 「本当にそれ見たら生存本能が働きますから、そうなると『まとまってひとつの党にならないと』とか『自分、無所属だけど、自民党に行かないとだめだ』とかっていう発想になっていくと思うので、こうした予測が記事化されることで、永田町や選挙に風が吹いたりね、政界の地殻変動が起こるきっかけになるのかなと思いますね」

乙武 「今回は松田さんが予測してましたけど、米重さんがされる場合はけっこう気を遣うもんですか?」

米重 「あんまり使わないですね。気を遣って鉛筆なめちゃうと間違えるので(笑)。私は他人のことよりも、自分のレピュテーション(評価・評判)のほうが大事ですから」

乙武 「候補者とか陣営から圧力がかかったりしないんですか?『お前、俺に黒三角つけてんじゃねーよ』とか」

米重 「まぁ仮に圧力があったとしてもね、圧力に負けて僕が黒三角を白三角にしたところで、本当はその人が黒三角なのは変わんないですからね(笑)」

千葉 「おっしゃる通りです」

米重 「それよりちゃんと選挙運動がんばれよってことですよね」

乙武 「めっちゃ冷静!」

千葉 「それだけ正確なデータを持って、冷静に予測をしていただいているということですね」

スタッフ―――松田さん、このオンエア見てどう思うんですかね?

乙武 「松田さん、見ててくれてるかな」

千葉 「ぜひ感想を伺いたいですね」

乙武 「次の放送でお待ちしてますんで、今日はここまで!番組の高評価、チャンネル登録をよろしくお願いしますね!」

 

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