タクシー初乗り「500円」に 県西部除く地域、2月から

タクシーの料金体系が2月に県西部を除く地域で改定される

 2月1日に県西部を除く地域でタクシーの料金体系が変わる。初乗り運賃が500円に下がる一方、乗車距離に応じた加算額が上がるため、おおむね2キロ以上は高くなる。改定は消費増税分の上乗せを除くと2007年12月以来となる。

 タクシー料金は県内を3分割した「交通圏」によって異なる。今回の対象は横浜や川崎、横須賀などの「京浜」と、相模原や藤沢などで構成する「県央・湘南」で、県西部の「小田原」は含まれない。

 初乗り運賃は普通車の場合、740円から500円に引き下げられる。同時に初乗り距離は2キロから1.2キロへと短縮。以降は京浜で264メートル、県央・湘南で272メートルを走るごとに100円が加算されていく。従来は2地区とも288メートルごとに90円だった。

 渋滞時などの低速走行中は、距離ではなく時間に応じて料金が追加される。いずれの地区も1分45秒ごとに90円の上乗せだったが、改定後はペースが5~10秒早まって100円がプラスされる。

 関東運輸局が過去の利用実績に基づいて試算した結果、総じて8%強の値上げになるという。業界各社は増収により、キャッシュレス決済機器の導入といった利用環境の向上や、若年層のなり手が不足する運転手の待遇改善を進める。

 タクシーの運賃を改定するには、各地区に拠点を持つ事業者の一定割合が申請し、地方運輸局長の認可を得なければならない。京浜と県央・湘南では18年11月から19年2月にかけて、台数換算で9割以上を保有する事業者が変更を要望していた。

 こうした動きは県内だけでなく、全国48地区で相次いだ。国土交通省は当初、業界側が求める昨年10月の改定を検討したが、直前に開かれた物価問題を扱う関係閣僚会議で消費税増税と時期が重なる点に複数の省庁が懸念を表明。同省は実施を見送り、昨年末に2月での改定を公表した。

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